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短歌「低床ベッド」

母眠る低床ベツドの高さまで布団を重ね目線を合はす

 母の介護ベッドを低床ベッドに替えた。父が亡くなり、母の隣に布団を敷いて眠るようになった。母は父が亡くなったことを知らないので、(話したがすぐにわすれてしまう。それに悲しがるので、いまは外に出かけていることにしている)夜中に何かにつけて父の名前を呼ぶ。いちいち父の不在を伝えるのも面倒になってきて、「はい」と返事をしたら、今度は「どこにおるん?」と尋ねる。それでレンタルのベッドの高さを15㎝まで下げられる低床ベッドに替えてもらった。
 低床ベッドになって、母も以前よりは安心して眠れているようだし、私も母が痛がったりする時、寝ながら擦ったり出来るので楽になった。

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