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僕の好きなおじさん

型破りな人、毒舌、破天荒、孤高の人
彼の事をあらわす言葉は
色々あると思うけれど
僕にとっては、誰よりも
愛のある優しいおじさんでした

談志の事を毒舌っていうけど、人の良いところっていうのを本質的に捉える力が長けている人って僕は思ってる

それで悪く見えるような所も笑いにしてしまう愛がある


何もかも上手くいかなくて落ち込んだ時も
誰とも分かり合えずふさぎ込んだ時も
このおじさんの言葉は心に響き
そんなもんだと全部を肯定してくれた。

「落語とは人間の業の肯定である」


若くして談志が悟った落語の定義を、
「人間の業の肯定」ってやつを、立川談志は自分自身の人生をもって最後まで体現した人だと思います

そんなカッコいいおじさん


「努力をすれば報われる」
成功者が良くいう言葉
もっともだし
美しくて正しい


だけど、あんなに落語を愛し
落語の為に人生をかけて
誰よりも奔走した人が
「人生成り行き」
「人生暇潰し」
と言ってくれてたことの方が
全てが報われる気がした。


彼を批判する人
常識をふりかざす人
そんな人たちもブラックユーモアで
笑いにしてしまうような愛がある。


もし傷ついて悲しい時や
どうしても許せない人がいたりしても
彼の落語の中の登場人物になってしまえれば
そんな事も全部肯定してくれて
笑いにしてくれる。


初めてみた時から僕にとって立川談志は
亡くなってしまうまで、絶対に裏切ることのない大好きな人であり続けて

面白くない事も面白くみれる
世の中を見る視点を教えてくれた

そして人の様々な業を肯定する面白さというのを教えてくれた、かけがえのないおじさんでした

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昔僕が大学生の頃、
深夜のTV放送で
「落語のピン」
という番組がありました。

若かりし日の春風亭昇太とか立川志らくとか
何人か若手の落語家が出てきて
一人一席ずつ落語をやっていって
最後のとりが立川談志。

僕はその番組で初めて立川談志という人をみました。

もう25年以上も前の話なので
ネットの情報とかもないですから
予備知識も何もなく
TVで初めて見た談志は
ものすごく強烈でした。

落語自体は当時
正直あまり良く分かっていなかったと思います笑

しかし、大げさかもしれませんが
談志の話す言葉一つ一つが
ズシズシと心に響いて
興奮したのを今でも覚えています。

中学生の時にラジオから流れてきた
ブルーハーツのロックを聞いた時と
同じくらい。

初めてロックと出会った少年
みたいな気持ちになりました笑

大げさではなく
本当にそれ位のインパクトでした。

それからは毎週
最後に談志が出てくると
息をのむようにTVにくぎ付けでした。

この面白いおじさんが演じる落語を
どうにか理解しようと
スゴイ集中力で見てたと思います。

TVでは伝わりきれないだろう落語の面白さを
当時の談志は何とかして見せて演じて
伝えてやろうっていう
番組だったんじゃないかな。

少なくとも僕はこの番組で
立川談志が好きになり
落語も好きになりました。

立川談志はとにかく落語愛がすごいんです。

談志が好きだという昔の
志ん生とか僕も好きになったし

桂三木助だったら「へっつい幽霊」と「道具屋」とかこの演目ならこの人って
談志が言ってた落語はほとんど聞きました。



「落語のピン」を見ていた当時
僕は確か大学2年生だったと思います。

1年生の時から大学がつまらなくて
辞めて音楽の専門学校に行こうと
学校見学とかに行ったりしてました。


大学を辞めて音楽の専門学校に行きたいと
親に相談したら
うちの母親はなぜか泣いてしまいました

泣くことの程なのかな?と思いましたが
取りあえず大学卒業してからまた考えてくれと父にも諭され説得されて
それを振り切るだけのパワーも情熱もなく
仕方なくイヤイヤ大学に通って
悶々としていた時期だったと思います。


因みに音楽の専門学校の先生にも
大学辞めてここに来たいと思ってるんです!
って話したら
辞めてまで来るところじゃないよ
って言われました笑

その音楽の専門学校の先生ははじめましての夢を見ている僕に、音楽業界の裏事情や厳しさってのをなぜか教えてくれたのです

今考えると親の反対や専門学校の先生の話でトーンダウンしてしまうような情熱だったという事だと思います


くすぶっている自分が嫌で
何かに燃えたくて、燃え尽きたくて
好きな物、本当に自分がやりたい事を
必死に探してもがいていた時期だと思います。

当時好きになった女性とも
上手くいかなかったりして
僕にとってはかなり辛い失恋で落ち込んでいました


何もかも上手くいかないような気がして
お先真っ暗だなとふさぎ込んでみたり

かと思ったら
急に大きな夢を妄想して
一人で興奮してみたり笑

躁鬱病なんじゃないかなって思う位
情緒不安定な暗黒時代です。
(今思い返すと大したことでもない事なのですがその時は必死でした)


そんな時に
落語のピンのおじさんは
僕に強烈に何かを語りかけているような気がしたんです。


”お前そこにいなくていいんだぜ”


結局僕は大学を中退する事にしました


辞めて選んだ道が音楽関係でも
落語家になるわけでもなく
親の職業の理容師でした


勝手に人生の転機の人として話に使ったら、それは俺を自分の都合のいいように解釈してるだけだ
って談志に突っ込まれそうだけど


確実に言えるのは時代が変わっても
僕にとっては今でも大好きなおじさんということです


そんな立川談志の昔のテレビ番組「落語のピン」の最終回、YouTubeで見つけたので
興味がありましたら見みて下さい

演目は「紺屋高尾」です

テレビの向こう側でやってるんじゃなくて、会場に自分がいる位の空気感とか感じながら入り込んで見ると、より面白いと思います♪

https://youtu.be/4vGYV0hMEzY

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美容師をしています。その他にアーユルヴェーダのカウンセリングをしたり、オパというセラピーをしてます「スウ」です♪

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