Fabble|プロジェクトの記録|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

生ごみプレス製作プロジェクトをファブ3Dコンテストに出展応募するために、『Fabble(https://fabble.cc/)』への投稿作業に入りました。

このサイトは、「文脈やストーリーと深く紐づいたモノづくり(FAB)」プロジェクトのための、共有ウェブサービスです。 モノづくりのプロジェクト全体の進行を管理し、モノづくりの知識やその背後にある物語を、さまざまな粒度のコミュニケーションを通して包括的に記述・保存・蓄積・伝達していくことを支援します。(Fabble HPより引用)

そこで、まずはコンセプトメイキングからオブジェクトの完成(未完成)までをプロジェクトの取り組み内容で仕切り、サマリーを仕上げました。

【サマリー】
プラスチックは、昔ビリヤードの球が象牙で作られていた頃に動物保護(環境を守る)の観点から象牙に代わる新しい材料として生まれました。
今回のこの生分解性プラスチックによるものづくりも、そういった私たちの生活においてプラスチックが共存できる新しい形(製品)を生み出したいと考え『生ごみプレス』を製作し、『コーヒーかす消臭ポット』や『ベッドサイドライト』など他の用途も考え出しました。
また、ゴミの量を減らすことも製作での重要な狙いと考え、生ごみの水分量を減らしたり、コーヒーかすのリサイクルできるようにしました。また、3Dプリント時に棄ててしまうラフトやオブジェクトの切れ端も、オブジェクトのパーツや分解観察の材料として活用できるようにして、製作段階で出るゴミの削減も実現しました。

チームとして参加するにあたり、教育機関としてデジタルファブリケーションを通して小学生や中学生にものを創造する楽しさだけでなく『プロトタイピング(失敗)の大切さ』『生分解性プラスチックへの正しい(化学的)理解』『(プラ)ごみ問題への課題意識と解決』『サステナブルな社会の実現に向けた自らの将来的役割(将来の夢の創出)』などエンジニア的・科学者的な思考を育んでいき、つかう側からつくる側に立って未来を切り拓いていくSTEAM教育プログラムの開発と拡散を念頭に置いて取り組んできました。
結果として、ラボ生たちの中には将来の夢として3Dプリンティングを通したものづくりを研究していきたいと自ら考えるようになり、具体的な進路(高校進学)決定に大きく寄与できるものとなっています。また、プロジェクト開始当初からプロジェクトの遂行や実験の様子をinstagram、note、youtube等SNSへ投稿していくことで、より多くの方々に生分解性プラスチックのことや、このプロジェクトのことを知ってもらうことができています。

そして、今回のプロジェクトを一緒に取組んだラボ生たちからも感想をもらおうとお願いしたら、一人のラボ生から以下のようなコメントをしてくれました。
【共享是发展的加速器『共有は発展の加速器だ』(中学3年生:N.Iさん)】
何もかもが新しく、わくわくも大きかったですが、前があまりにも曇っていて不安に思うところも多かったです。強度を確かめるにも、新しいフィラメントのため、実験を参考にするか、実際に作るしか強度を確かめる方法がありませんでした。ただし貴重なものをそんなに多く使うわけにもいかず、普通のフィラメントで確かめつつ、新しいフィラメントではどのような形が最も安定するかなどを先生に確かめていただきました。何度も繰り返すことでしか前進できないこの作業は、うまくいかないとどうしても気が滅入ることでした。しかしそういった中での仲間の共有、果てには世界への発信は、新たな発見を生み出す推進力でもありました。

このコメントをもらった瞬間、思わず『深圳という街の風土がラボ生たちのエンジニアとしてのマインドを育んでくれている』と強く感じました。
深圳の人口は1,343万人(2019年末時点)で、東京都の人口とほぼ同じで、1980年から約40年で42倍。また、深圳の成長速度は急激で「深圳速度(深圳スピード)」と呼ばれ、深圳GDPは香港の1%未満であった1980年2億7000万元から、40年で2019年2兆6,900億元へ1.4万倍に急速に発展してきました。
そんな深圳速度を実現できた要因の一つが『テクノロジーのオープンソース化』です。発明された技術は次の日には全体に共有され、既得権益に縛られず、そこから新たな製品が次々と開発・進化を遂げることで、大きな変化を作り出し、世の中をよりよくしようと考えられています。
このマインドは、生ごみプレスにも生かされており、著作権フリーで誰でも無料でSTLデータをダウンロードし、加工・販売できるようにしています。

この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?