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高次元のソンザイ

この宇宙では、光よりも速い物質はないとされている。ところが、ざっくり言えば、量子力学の世界では、光を超えた何かが存在しているらしい。

対になる量子の片方が宇宙の端、その反対の宇宙の端にもう片方の量子があったとする。片方の性質が観測によって定まると、もう片方の性質もどんなに距離が離れていても、まるで通信がなされたかのように決まるのだ。

また、光の速度に近づけば近づくほど、時間の流れが遅くなるという現象と紐づけると、スペックの足りないパソコンで、動作の重たいゲームを動かしているかのように、この宇宙がシミュレーションの中にあって、全体の計算量が決まっているように思えてくる。

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2045年、シンギュラリティが到来し、人の暮らしは大きく変革すると言われている。その前兆は2029年からはじまるプレシンギュラリティと呼ばれ段階的にロボットや人工知能が人を凌駕していく未来像が話題になっている。

映画「ターミネーター」の世界のように本当に破滅的な世界がやってくるのかもしれないし、人工知能が思ったよりも発達せず、意外と何も起こらないかもしれない。

とはいえ、平和を維持できているなら、ロボットと人工知能の組み合わせで、2019年に人がやらなくてはいけないことが、もっと何もやらなくてもいい世界になっていることは間違いないのだ。

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宇宙の性質は、10の500乗のパターンでサイコロを転がして出てきた目で決まるらしい。たまたま物質が物質としての形を保てるそのパターンを引き当てるというとてつもない確率で、いま私たちが生活している宇宙が成り立っているという。

地球と太陽の位置も遠すぎず近すぎず絶妙な距離にあるから生命が誕生したのだし、地球と月の距離も同じく生命誕生には絶妙な距離なのだそうだ。そうそう、この世に生を授かった誰もが受精時に何億分の1の確率を引き当ててるのも付け加えなければ。

そしていま、人類は人工知能やロボットの進化やシンギュラリティを控える歴史的転換点にあり、おそらく僕らはその観測者として宇宙はじまって以来の「歴史的事象」を目にすることになる。

なかなか運がよろしいですね、というレベルを超えてとてつもない何かの力を感じてしまうのだ。

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人間はもともと狩猟民族で、その後農耕民族を経て、産業革命により近代的な暮らしを得たという。近代化された生活は、たしかに病気や食料といった生命の基本ともいえる安全が守られて、より豊かな生活が送れるようになった。その後、資本主義の台頭によって生きとし生けるものは労働が必須となった。いるだけで生きていけるわけではなく、社会を発展させるために何かに取り組む、その貢献度に応じて社会を有利に動かせる力=貨幣を手に入れることにやっきになっていく。

ただ、現代も未来から見れば過渡期である。したくもない仕事をしないと生きられない人々がたしかにいて、やりがいのある仕事は椅子取りゲームで学歴や才能などでふるいにかけられる。ところが、これが根本から覆されてしまう変革がシンギュラリティもしくはプレシンギュラリティによってもたらされようとしているのだ。

もうまもなく、自動運転も自動料理も日常の一部となり、生活が激変してくるだろう。

深夜の長距離トラックの運転など、たいていの人は人工知能よりも得意としないような仕事は奪われることになるが、駅の改札でひたすら切符を切っていた駅員のようなもので、人はもっと人らしい、人が得意な仕事に就くことができるのだ。とはいえ、これもまたまやかしで、段階的には人工知能やロボットから見たら、人のほうが得意なことというものが一切なくなってしまう時代がきてしまう。

その時、人は日々やりたいことをやるだけの生活になるとしたら、僕はなにをするのだろう。

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VRの映像がリアルに近づいてくると、例えば何時間ものフライトを経て時差ぼけに悩みながらの海外旅行に変わって、VR旅行業が発展してくるだろう。ただ、リアルをよく知る僕らははざまの世代は、このデジタルだけの旅行は許容できないはずだ。海外旅行は日程を立てて、スーツケースに荷物を詰め込んで、朝早起きして空港へ向かい、離陸の瞬間にドキドキしながら、現地へ降り立つ、このめんどくさも含めて感動の体験があると信じている世代だ。

ところが、これはおそらく僕らの次の次の世代には、まったく通用しない価値観となることは、ほぼ確定なのだ。

昔、といっても大昔でもない昔、テレビや蓄音機がなかった時代は、歌手の歌は生歌で聴く以外の選択肢はなかった。生歌こそ歌であると思っていたその時代の若者たちは、ポケットに入る小さなガラスの画面の何かから、聞こえてくる歌声には何の価値もないと怒り狂うだろう。でも、僕らは最初からその環境にいたし、スマホから聴こえてくる歌こそ歌だと思い込んでいるネイティブ世代なのだ。

そう、だからVR旅行業は反発もありつつ、時代が移り変われば結局成り立っていくのだ。

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考えてみるとこの宇宙や地球やこの時代が、不自然なくらいできすぎていて、人工的に創られたものにしか思えない。神は信じないが、シムシティ的なシミュレーションソフトの中で、生命や人類や知性や文化が育まれるパラメータが設定され、高次元の何かの存在が何かの目的のため(例えば、時空を超えた歴史探訪)、いまこの世界に意識を宿されている、そう考える方が自然なのかもしれない。

そんな話を行きつけの美容師さんにしたら、「夜眠れなくなるからやめてくれー!」とわりとマジで嫌がられたので、しようがないから独り言としてこのブログに書いておくとする。


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