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クリエイターの4つのテーマ その1

お久し振りの記事です。
先日、NPO法人クリエイターズ・エンタテイメント(略称クリエン)が4月から配信を開始するFMラジオ番組の収録に行ってきました。いつも経営コンサルやFavorite Banana Indiansサイトの管理等でお世話になっている、小塚ツルギさんが関わっている、厚木にあるNPO法人です。週に1回配信される予定ですが、それを1ヶ月分まとめて録ってきました。週ごとに1つずつテーマが設定されていて、合計4つのテーマについて話してきました。時間の関係もあって、割とざっくりとした話しかできませんでした。この手の話はし始めるとキリがないので、時間制限は当然必要だと思いますが。
このnoteでは、それぞれについて話せなかったこと、後から思い付いたこと等を、やはりざっくりと書いていきたいと思います。(もしかしたら重複するかも知れません。)

【テーマ1 クリエイターとして作品を生み出すコツ】
のっけから、凄く難しいテーマです。「コツ」と言われてもねえ…、という感じでしょうか。
そもそも皆さん、どうしてクリエイターになったんでしょうか。(「クリエイター」の定義自体も結構人によって違ったりしますが、ここでは「創造的な活動をする人」という本当にざっくりとした意味で使います。)きっと、何かしら表現したいことがあったのでしょう。「表現したいこと」とは、「人に伝えたいこと」です。表現の受容者ではなく、発信者になりたかったということです。なので、まずは何かしら発信したいものを持っていないと話になりません。その上で、それを確実に誰かに届けるにはどんな表現方法がいいのかの選択をするわけです。

というのは、しかし、後付けの考え方かなとも思います。例えば、音楽家や演奏家。「どうして音楽を選んだのか?」「好きだから。以上」ですよね、多くの場合。では、何故言葉ではなく音楽が好きになったのか。何か論理立てて説明できる理由はありますか?ないでしょう。自分に一番合った方法は、自分が一番よく分かっている(ということにしておきます。そうでない場合も結構あります。)
それで、「コツ」ですね。頭の中でも手書きのメモ帳でもスマホでも何でもいいので、何かピンと来たことはその場で書き留めておくということでしょうか。勿論、頭の中にメモしてもいいのです。まだ携帯もスマホもなかった時代、音楽系のアーティストは、外出先でいいメロディを思い付くと、公衆電話から自宅に電話をかけ、そのメロディを口ずさんで留守電に録音していたのです。いつ役に立つか分からないこうした断片を、1つでも多くストックしておくことはとても大切なことです。何かを作り出そうとする時に、そういう断片をあちこちからかき集め、繋ぎ合わせて加工する。そうすると、1つの作品が出来上がる。
意図していた形になることもあれば、思いがけないものとして生まれ変わることもある。作品は、インスピレーションの掛け合わせで創られるという側面もあるのです。

インスピレーションとは「閃き」のことです。これがある時突然「降りてくる」(この表現をクリエイターはよく使います。本当にそうとしかいいようがない瞬間です)こともあれば、考えに考え抜いて構築していくこともあります。時と場合によるのかも知れませんし、人によっても違います。僕はどちらかというと構築派だと思っていましたが、思い返してみれば、案外降りてくるパターンもあったりするのです。実はその時にも、先に書いた断片のストックが大切だと、このテーマについて考えていて気が付きました。
「0から何かを生み出しているわけですが、どうやっているのですか?」とこの番組で聞かれました。その時はうまく答えられなかったのですが、0からではなかったのです。無意識のうちにストックされていた閃き。そして、自分の中に引っかかっていたもの。構築しかけて途中で止まっていたもの=作りかけ。そういうものがごちゃ混ぜに入っている箱の中から、何を今出したいのか。直感だったり論理だったりでそれを決めていく。それが創作のキモのような気がしています。
才能がある人というのは、こうした断片を片っ端から手品のように繋げていくことができる人。普通の人には思い付かないような組み合わせで、物事の本質を突くような、世界をそのまま形にしたような、そんなものを作り出せる人なのでしょう。人知の及ばない「何か」に簡単にアクセスでき、発信できる特殊能力を持つ存在。それが天才です。そして、クリエイターは全員が天才である筈はありません。
だから、普段から閃きを起こす能力の鍛錬を怠らず、閃いた断片は必ずどこかにストックしておき、冷静に構築する力を養う。
これが「クリエイターとして作品を生み出すコツ」ではないでしょうか。コツというより「奥義」ですね。

こんなまとまったことは、番組の中では話していません。
クリエイターは大きく分けると2種類の人種がいます。何かが憑依する人、感性の赴くままに作り上げる人と、降りてくるのをひたすら待ちながら試行錯誤を繰り返し、紆余曲折を経て作品を作り上げて行く人です。どちらがいいとか悪いとかいうことではないですが、それぞれにコツはあるのでしょうし、個人の流儀もあるでしょう。自分には何が一番合っているかを掴み、独自のスタイルを編み出していくことも、クリエイターとして成長していくためには必要になります。満足したら終わりです。
このあたりについては、書き始めると長くなるので、また稿を改めます。

次回は「クリエイターをしていてよかったこと」というテーマで書きます。
いつになるのか分かりませんが、閃きが消え去らないうちに書いておこうと思いますので、できるだけ間はあけないようにします。
今回はこのへんで。

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