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感想『棚から哲学』土屋 賢二

哲学者による哲学書。
難解な言葉が羅列され読みにくいかと思いきや
笑いが止まらない。
1編5ページの短編でこんなに笑えることがあるのかと自分で自分に感心した。
どこがどう面白いと書いた時点で全てがネタバレになる可能性がある。
土屋先生のみならず、奥様、助手さん達とのやりとりも爆笑必至。
何気なく見落としている日常の不思議を土屋先生が独自目線で解説して下さる。
一つ一つに一人で笑い、一人で頷く。

ネタバレ覚悟で一つ挙げれば・・・
メンタルチェックのお話。
受けた方も多いかと思いますが、念の為説明を・・・
「私の仕事は順調だ」
「私には悩みを相談できる友人、同僚、上司、配偶者がいる」
などの質問に
「はい」「いいえ」「どちらともいえない」
の3択(場合によっては1~5ランクで答えることも)で答えて心の健康度を測るテスト。
私は数回受けたことがあるけど、質問の意図が掴めず、結局「どちらともいえない」か「いいえ」で答えた気がする。

この「質問の意図が掴めない」は土屋先生も思われたそう。
楽しい気分でいる、健康か、幸福か、などの質問は、はい、いいえ、では答えにくい。
お金が盗られた人が楽しい気分でいるのはおかしいし、自分が健康でも家族が危篤状態であれば幸福ではなかろう。
むしろ危篤状態の家族がいる人が幸福で楽しいのは、何か裏があると思える(私見)
このような心理検査、メンタルチェックは当人の背景を知らなければジャッジ出来ないのでは、という土屋先生の卓見に深く頷く。

土屋先生の御本を全て読破すると人生が乗り切れそうな気がしてくる。
土屋先生の卓見のみならず、助手さん達の見事な切り返し・・・!
参考にしよう。

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