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大学25年生

先週から、ひとり暮らしを始めた。
推定築50年、和室6畳一間、家賃3万円、風呂トイレ台所共同。42歳にして、苦学生みたいな生活である。
バイトがあるので(なんとまだ大将の店で働かせてもらっている)、週2回は夫が住む埼玉の家に帰る予定だ。家賃は2軒分だが、各自で生活費を支払うことになったので、以前よりかなり気が楽だし経済的にも助かっている。

約19年ぶりのひとり暮らし。思いっきり羽と小陰唇を伸ばしたいところだが、下宿なので、おちんぽ騎士団の皆さんを連れ込めないのが残念だ。

もう一つ残念なのは、完全禁煙な点である。
オンボロのくせに生意気言うな!!と、大家さんをビンタしたい気持ちでいっぱいだが、ルールなので仕方ない。6畳一間の古びた和室には、吸い殻が山盛りになっている空き缶とフォークギターが似合うのに。


山盛りの吸い殻が似合う部屋



最近、これまた15年ぶりに喫煙者に戻ってしまったのである。大将に怒られた日の煙草は、特に美味しい。
諸事情あって、埼玉の家の近くにある飲み屋街に行けなくなり(お客さんを食い散らかして出禁になったわけではないです!「一店舗一ちんぽ」の自分ルールは守ってます!)、ストレスを発散できる場所がなくなってしまった。飲みながら人と話すと次の日ケロッと元気になれるタイプなので、馴染みの店を失ってからは、煙草に逃げるしかなかった。

禁煙していた間は「喫煙者の人は肩身が狭くて可哀想だな」と思っていたが、自分が喫煙者に戻ってみると、まじで狭かった。
どこへ行っても禁煙だし、ここでなら大丈夫かなと思える場所には必ず「喫煙・ポイ捨て禁止」の貼り紙がある。喫煙できる場所に入るには大抵金がかかる。
「こんなにつらい思いをするなら好きにならなきゃよかった」
と、JPOPの歌詞のようなことすら考えてしまう。
会社の喫煙所には行列ができていて、ガス室みたいな小さな箱の中でおじさんたちがギュウギュウにひしめきあっていた。あの部屋に「セックスしないと出られない」のルールを適応したら、私はだいたい紅一点なので乱交し放題である。
しかし、喫煙室の距離感ならではのコミュニケーションや、嫌われがちな喫煙者同志の結束感もあって、おじさんたちは大抵イチャイチャしている
ため、そのルールを以てしても蚊帳の外になる可能性はある。
先日、隣同士で終始無言だった2人(30代後半と40代後半くらい)が、

「…○さん、毎日楽しいっすか?」
「その言葉そっくり返してやるよ」

と、突然会話を始めたのが映画のワンシーンのようでなんだかかっこよかった。ぶっきらぼうなのに仲良さそうなのもいい。


煙草とひとり暮らし。大学一年生に戻ったような新鮮な気持ちだ。しかし、頚椎症性神経根症による左手の痺れに悩まされたり、肌のシミのために高い薬を買わされたり、体はガッツリ中年なので、ご自愛しつつ下宿生活を楽しみたい。

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