『八画文化会館vol.5 特集：駅前文化遺産』
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先行配信の第5弾まいりましょう。

今日のテーマは観光駅にはない、いぶし銀の魅力がある「生活駅」です。

地方都市にみられる生活駅のなかでも、大きすぎず、小さすぎず、非常に味わい深い4つの駅前へご案内しましょう。

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【目次】

1. お手本のような噴水と盆栽の駅前広場「西富士宮駅」
2. 渋いビル型駅舎の傑作を多数輩出した富山地方鉄道の「南富山駅」
3. 地方都市の駅前原風景「電鉄黒部駅」は、いぶし銀の味わい。
4.「富士見駅」の駅前には目印に巨大パンダがいます。

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1.お手本のような噴水と盆栽の駅前広場「西富士宮駅」

▲盆栽、噴水、彫刻、富士山が同時に見える絶景ポイント

美しい駅前である。

JR身延線の西富士宮駅を降りると、まず目に飛び込んでくるのは母子を象ったモニュメントを中心に、噴水と花壇がしつらえられた駅前盆栽だ。

駅前盆栽は各地で存在が確認されているが、味わい深い駅前噴水は数が少なく貴重なものである。そして盆栽と噴水と彫刻が三位一体となった、珍しくも美しいロータリーモニュメントを中心に駅前広場が広がっている。

▲見事な盆栽ロータリーと個人商店の壁　

▲理容室の前には路上園芸も広がる　

▲壁面に描かれた「すし」の文字も味わい深い

▲老夫婦の経営する簡素な〈駅前旅館 銀月〉は、遊郭や古い料亭を思わせる造り　

広場の奥に聳えるのは駅前の壁。

雑居ビルや高層ビルはなく、個人商店が軒を連ねて壁を成している。学習塾に舞踊教室、スナック、焼肉、理容室、駅前旅館、軽食喫茶、寿司屋、歯医者等々かゆいところに手が届くラインナップ。

道を挟んでコンビニもあるが、古いビルに入居しているため、コンビニらしからぬ渋い印象。ナショナルチェーン店もない。

また低中層建築の個人商店が駅前の壁を形成していることと、目立った広告がないことで、駅前の猥雑感は抑えられており奥ゆかしい雰囲気を醸し出している。

そして晴れた日には、壁の間から富士山が姿を現す。古くから富士山信仰の中心地である富士宮市にふさわしいローカリティも加わった、お手本のような美しい駅である。

富士宮市の代表駅であるJR富士宮駅の隣の駅でもあり、有名どころの2番手というポジションも憎い。

住所：静岡県富士宮市貴船町1-8
訪問日： 2015/4/19
はみだし豆情報：富士宮市の中心市街地の西端にあたる西富士宮駅からは商店街が伸びていて街歩きも楽しめます。富士宮市にいい駅やいい町が残っているのは「次にくる旅人のために泉を清く保て」という須藤秀忠市長の座右の銘のおかげでしょうか。