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猫背とO脚 ~ 姿勢は重心の位置で変わる

足の重心を研究している人が言うには、この数十年で、足裏の体重がかかる位置が変わってきているそうです。具体的に言うと、じわじわと後ろにズレてきている。

この重心移動、実は姿勢にも影響します。ここでは、猫背とO脚のメカニズムを解説します。

・カカト重心は猫背になる

重心が、かかと側に移動すると、後ろに倒れやすくなります。
どこかでバランスを取らなくてはいけませんが、一番簡単なのが、上半身を前に倒すことなんですね。これが猫背の発生原理。

パターンとしては、
背中を丸くして上半身を前に出す
頭だけを前に出す
肩と腕を前に出す巻き肩になる

などがありますが、何かを前に出してバランスを取ろうとするのは同じ。筋力の負担が増えるので、腰痛や肩こりの原因になることもあります。

・O脚は重心の位置で変わる

両足をぴったりつけて立った時に、膝の内側に指2本分の隙間があると、O脚と診断されます。これにもバランスが関係しているのですが、解説の前に実験してみるのが早いですね。

実験
両足をぴったり付けて立ちます。膝の間の隙間を確認。
次に、少し身体を前に傾けて、体重をつま先側に移動します。膝を確認。
今度は身体を後ろにそらして、体重をカカトに移動します。膝を確認。

どうでしょう。
体重を前に移動した時には膝の隙間が狭くなり、後ろに移動した時には、広くなりませんでしたか? これも身体のバランスをとるための機能です。

体重を後ろに寄せると、猫背のときと同じように身体は後ろに倒れそうになります。

下半身の骨格。股関節を外にねじると、膝の間が開きやすくなる

骨格で見て分かるように、股関節は少し外に張り出していますね。骨の形状から、股関節を外に向かってねじると相対的に体幹部が前に移動し、バランスが取れるのです。
膝関節はねじれによって外側に移動し、膝の隙間が広がってO脚になるというわけ。

・女性がハイヒールを履く理由

体重をつま先側に寄せると背筋が伸びて、O脚が改善して見える。
これを自動的に実現してくれるのが、ハイヒールです。

カカトが高くなることで足先に重心が乗り、美しい姿勢を作り出してくれるのです。
ちなみに、ハイヒールで歩く時は、少しつま先を開き気味にして足の内側を押し出すようにすると、さらに美しく見えるとか。

・ハイヒールを履きたくない人は

男性のハイヒールはハードルが高いですし、女性でもハイヒールが好きでない人はいますね。そんな時は足のストレッチをしましょう。

猫背やO脚になっている人は、つま先が上がらないためにカカト体重になっている人が多いのです。原因は、ふくらはぎの筋肉が固くなっているか、足首関節が固くなっているか。
ふくらはぎの場合は、ストレッチで伸ばせます。いわゆるアキレス腱伸ばしの姿勢でいいのですが、コツは時間の長さ。最低でも一分間はほしい。
柱などに手をついて、痛くない程度の力で筋肉を伸ばしたまま、じっと止まって一分間。少しずつ伸びてゆくのが感じられると思います。

足首の関節が固いと感じる時は、足首の関節リリース。
「かま足」自分でできる関節リリース という記事に、軽症用のセルフ関節リリースの方法を書いています。
自分でうまく動かせない時には、お気軽にご相談ください。

八起堂治療院ホームページ https://www.hakkidou.jp/


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