見出し画像

💊医師と薬剤師とMR、そして患者

病院の待ち時間は暇だ。なのでつい周りを観察してしまう。
個人病院の小さな待合室でたまにスーツ姿の人を見かける。患者がほとんどいなくても椅子に座ることなく、所在なさげに隅っこで立っている。受付のお姉さんに丁寧に頭を下げ、奥からお医者さんが顔を出すと更にぺこぺこ頭を下げてハキハキと話し出す。
製薬会社の営業、メーカーさん、MRとかいう人らしい。処方箋薬局でも見かける。

私の通院する大学病院にも、私の使っている薬の製薬会社の営業の人がいるんだろうな。
抗がん剤を使うとき一緒にパンフレットをもらった。そのパンフレットを作っているのは製薬会社だ。癌について、副作用について、薬についてなどいろいろ書かれている。患者のための相談電話などもある。
私は一度帯状疱疹のとき、薬の飲み合わせについて電話したことがある。皮膚科のお医者さんも近くの薬局の薬剤師さんもベージニオを知らなかった。

「かかりつけ」は病院だけでなく処方箋薬局もあると良いという。でもなかなか難しい。
皮膚科の近くの薬局に、眼科でもらう薬は置いてない。癌の薬なんてなおさら。同じ薬局でも皮膚科の近くの薬局は皮膚の薬の知識が豊富なのは当たり前で、癌の薬との飲み合わせの知識なんて一般的なものしかなくても仕方ない。
私の乳がんの主治医も「〇〇薬局で受け取ってね。」と病院近くの薬局を指定してきたし。

私が乳がんの抗がん剤治療薬を決めるとき、お医者さんから提示されたのは2つの薬だった。
「同じような薬だからどっちでもいいよ。ベージニオは下痢が辛いよ。」
私の主治医は他の患者さんからの副作用の辛さの訴えが多いか少ないか、とかで勧めたのかもしれない。でもその2つの薬を調べてみるといろんな違いがあった。
お医者さんの勧めるものを信頼して使うのもいいけど、製薬会社のパンフレットをもらったり、ネットで調べたり(最新の正確な情報に限る)して自分で選ぶのも大切だと思う。


なぜお医者さんは副作用の話しかしないのか、なぜ薬剤師さんの知識は偏るのか、なぜ営業のスーツの人はぺこぺこ頭を下げるのか。
病院と薬局と製薬会社、医師と薬剤師とMR、どういう繋がりかわからないけど、どれも患者とは遠い気がする。
でも患者としては臨機応変に、自分を中心に、全てを利用して最善の治療を選び取っていくしかない。
患者って割とコミュ力必要だよなぁ。

もし私からMRの人に病院で話しかけてもいいなら、直接薬について質問してみたいな。薬について本当に知りたいことを一番知っている人が患者から一番遠い。医師を介して届く情報の何と少ないことか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?