長男がやってきた。
当日に「彼女を連れていく。」と言う。
慌てて夫と部屋を片付けて掃除をした。

私自身は両親や姉妹とは一定の距離を保って生きてきたので、彼女を連れてくると言われると「結婚か、妊娠か。」と一大イベントを想像してしまう。
「一緒に行くって言うから連れてきただけ。」
そ、そうか。そんな気軽な感じで接してもらえる親になれて良かった。
次男のときは授かり婚だったから、彼女の家族構成やご両親のお仕事、実家の場所、彼女の仕事など、夫が次男にいろいろ聞いていた。
コロナ禍だったこともあるけど、ふらっと連れてくるなんてことは考えてもいなかった。

頂いた「たくさんもらったお歳暮のお裾分け」のお茶菓子を食べながら、あれこれと話をした。
夫と長男が、長男の仕事やお金、新NISAなどについて話しているのを、私は「今やること〜？」とヘラヘラ笑っていた。
こういう時は何を聞くものなのか全く考えていなかった私は、その日の夜に「馴れ初めとか知りたかった。」と夫に言われた。男親からは聞けないらしい。
そういえば夫は、長男の年齢の話題から彼女の年齢を聞き、仕事の休みはいつまでかという話題から彼女の仕事を聞いていた。
夫！すごいな！！

私は頂いたお菓子のことや、長男の性格、私たちの近況などを話していて、彼女のことは「ずっと背筋伸びてるな〜」「挨拶とかお礼とかしっかりしてるな〜」とか思っていた。

夕食を一緒に食べに行って、好き嫌いの話や息子が太ったとか、車の運転や方向音痴の話などをした。
その頃には夫もいろいろ諦めたのか、気ままな会話にノッてくれた。
とても楽しい時間だったけど、最後は雨に急かされて「またね〜」でお別れした。
「息子をよろしくお願いします」とか言うべきだったかな？

あまり常識がないから、親らしい挨拶や会話はできていなかったと思う。
ただ私は彼女のことをとても好きになった。彼女もそうだといいな。