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図書館に行ってきた 27

復讐の女神 アガサ・クリスティ
マープルが依頼されて事件に立ち向かうのは初めてだったと思う。アリバイとかトリックではなくて、表情や行動の違和感、人間をよく知るマープルならではの視点で進んでいく推理が面白かった。後半はいつにも増してもったいぶる感じだった。和訳でよくある要領を得ない会話にも慣れてきた。

猫探偵正太郎の冒険 柴田よしき
長編が先に数冊あったらしい。なので本来、猫がどんなふうに事件と関わっているのか正解がわからなかった。人間が推理をするのではなく猫が事件を未然に防いだりする話は内容が少し怖かった。
猫同士のちょっと丁寧過ぎるくらいの会話台詞は流し読みしてしまった。

踏切の幽霊 高橋和明
不幸な幽霊の復讐話と言えばあるあるなのかもしれないけど、文章力があるから途中でやめられない。
生前の存在感の無さすぎる彼女の事件を、幽霊となって存在感が増した彼女の強い意志と行動が、事件の真相を教えてくれる。
主人公が何度も行き詰まる捜索を諦めないのは、亡き妻のいる世界と自分のいる世界を繋ぎたいからかな。

警視庁草紙 上  山田風太郎
私と同じ生年月に出版された本だった。まだ本の一番後ろに貸し出しカード入れが付いている。
有名な歴史上の人物の、裏の顔を先に見てしまったよう。それがフィクションなのかノンフィクションなのかわからない。ゴールデンカムイみたい。
ちょんまげとざんぎりが行き交い、新旧が混じり合い、善悪がひっくり返る世の中を、柔軟に渡り歩く元奉行たち。変わりゆく世の中を見送りながらも、いざという時には全てを手玉に取るようにして解決していく。粋だけど気怠げな主人公たちが魅力的だ。

ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで 真梨幸子
外商の、無理難題を鮮やかに解決していく話かと思いきや、あちこちに話が飛び、いろんな人物が登場し、駆け足で話が進んでいく。ヤバい出来事もグロい状況も流れるように過ぎ去って、何が何だか。
一気読みしなくちゃ置いてけぼりにされそうで、何とか最後まで走り切った。
執筆しててよく混乱しなかったなぁ。

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