引っ越しに伴って病院を変えた。
新しい先生は快活でとても良い先生だった。
「良い先生」の定義は人によって違う。
ちゃんと話を聞いて不安に寄り添ってくれるような先生を「良い先生」という人もいれば、深刻にならず明るく接してくれる先生を「良い先生」と呼ぶ人もいる。
同じ病院の口コミに星5と星1があったりするのもそういうことかなと思う。

最初に診てもらった先生は楽しいイケオジの先生だった。体調が悪くても、治療が辛くても明るく笑い飛ばしてくれる先生だった。笑えるエピソードや看護師さんとの漫才のようなやり取りに、いつも救われていた。
でも人によっては不謹慎であり、不真面目に映ることもあるだろう。

とても親身になってくれる先生もいた。
体の不調を細かく丁寧に聞いてくれて、共感したり慰めたりしてくれた。いつしか症状を探してしまい、自分の体が重症に思えたこともあった。

教科書通りに診察する先生もいた。
検査や注射などを決められた時期にきちんと行い、正確な治療をしてくれた。体の不調を伝えると「それは副作用ですね。この冊子を参考にしてみて下さい。」とストレッチ法などが載っているパンフレットを渡してくれた。

ずっとパソコンと向き合っている先生もいた。たくさんの質問をしてきて、それに対する私の話をしっかり聞いて全てをパソコンに入力していた。私の質問にもきちんと答えてくれた。症状の原因や薬の効き目など知識を身に付けることができた。

「良い先生」に出会うのはなかなか難しい。口コミを見ても一概に良い悪いを判断できない。家族でさえ意見が分かれる。病気の時期によっても必要とする先生のタイプは異なる。
初めの検査の段階では親身になってくれる先生が良くて、手術の時はテキパキしたベテランの先生に安心したりして、抗がん剤治療になるときちんと説明してくれる先生を求めて、、、など。

今回、私は今の私に合う「良い先生」に出会うことができた。前向きに治療にだけ向き合える環境を整えてくれる先生を「良い先生」と呼ぶのだと思う。
これといった探し方は特にない。結婚相手を縁結びの神様に祈るくらいのレベルだ。