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図書館に行ってきた 30

シャーロック ・ホームズ殺人事件 ジェームス・アンダースン
大好きなドラマ「ジェシカおばさんの事件簿」の小説版。ミス・マープルに似ている。未亡人で、甥と仲良しで、好奇心いっぱいで、細かいところまで気がついて、コミュ力高くて、おせっかいで頑固。
無鉄砲だから危機に陥りやすくてハラハラする。事件解決で満足してるのに、更にどんでん返しがある。
ホント、すごいよ。宮崎美子さん、演ってくれないかなぁ。

ゴルフ場殺人事件 アガサ・クリスティ
ポワロシリーズ2作目。
ポワロの人となりがわかってくる。一言では言えない様々な顔が人間らしくて良い。助手?のヘイスティングスのポンコツさ、惚れっぽさも。
内容の濃さ、緻密さ。ただ伏線を回収するだけ、トリックを解明するだけではない。登場人物の性格と行動と主張の、嘘を見抜き裏を読むポワロの能力が素晴らしい。
今作はミステリーのあらゆる要素が詰まっていて、この一冊でドラマ1クールいけそう。この充実した読後感は現代のではなかなか味わえない気がする。

クリスマスのフロスト R.D.ウィングフィールド
最初から最後まで薄暗く、寒く、冷たく、薄汚く。全体の印象もその土地も季節も人物の性格も全てそんな感じ。フロストの下品さがさほど際立たない程の登場人物の様々な卑しさ。
説明すればするほど批判になるけど、フロストには特に光るものも無いし、ただ掛け持ちしてる事件を無限の体力でこなしていくだけ。上司の叱責や事務処理をのらりくらりとかわしながら。
なんて言ったらいいのか、とにかく私は読む!何故なら面白いから!

きたきた捕物帖 子宝船 宮部みゆき
シリーズ2作目。作者の文章力が改めてすごいと感じる作品。心情を説明することなく、何気ない仕草の描写で読者にわからせる技術。肌の質感や笑い方などの細かい描写で、リアリティを高めて物語の中に引き込む。
北一を見ていたくて、喜多次が気になって、北一だからこそ築けた温かい人々との絆が自分のことのように嬉しい。

半七捕物帳 岡本綺堂
「幽霊の正体を見たり枯れ尾花」
昔は説明の付かないことや噂話などは幽霊や祟りとして信じてしまう人が多かった。それらを半七たちが遺留品や証言をひとつひとつ調べて解き明かしていく。そういった話が多い。1話完結。ある意味短編集。
作者は推理ものと時代ものをかけ合わせた先駆けらしい。先駆けだけど全く古くない。

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