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図書館に行ってきた 29

福家警部補の挨拶 大倉崇裕
犯人探しをするミステリーではなく犯人が最初からわかっているサスペンス。作者は刑事コロンボのファンらしい。主人公のキャラがしっかりしている。
物語に深みや広がりはないけど、面白さはそこじゃない。古畑任三郎や杉下右京のような面白さ。

烏に単は似合わない 阿部智里
八咫烏シリーズの1作目。松本清張賞受賞作。
ライトノベルっぽいと思ったら続編の方がアニメ化決定してるらしい。確かにしやすいタイプの話だと思う。妃選び、権力争い、謎の皇太子。あるあるのラストではないところが良かった。伏線が多々あってもう一度読み直したくなる。

黒猫の遊歩あるいは美学講義 森晶麿
難しい。感想の書き方すら難しい。
美学講義はただ手を引かれるまま、黒猫さんが100%のうち30%を話しているとして、私はそれを100%と思って聞いている。なので奥に広がっているはずの美学が全く実感できない。黒猫さんの知識の奥行きが広過ぎて、この作品を100%味わえていないのだけはわかる。
なのに何故か感覚的に理解させてくれる文章なのが不思議だ。いつもと違う部分の脳を使っている気がする。

スタイルズ荘の怪事件 アガサ・クリスティ
アガサ・クリスティの処女作。ポワロシリーズの1作目。テレビドラマでずっと観ていたから、思い浮かぶポワロはデヴィッド・スーシェだ。
読者の視点はヘイスティングスで、ポワロのヒントに振り回されながら推理を進めていく。
登場人物の覚えづらい名前、散りばめられた伏線、ピンと来ないポワロのヒント、、、もう素直に読み進めるしかない。

半七捕物帳 岡本綺堂
明治時代。若い新聞記者に、半七老人が岡っ引きをしてた頃にあった様々な事件について語り聞かせる、という短編集。江戸時代にのめり込んだかと思うと、ふと明治時代に引き戻され、そしてまた令和に引き戻される。不思議な感覚。
毎晩寝る前に1話ずつ読むのがおすすめ。

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