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無期懲役の在り方に関する若干の私見

こんにちは。お久しぶりです。

今日は、「無期懲役」という刑罰の運用の在り方に関する、若干の私見について述べさせてもらいます。

無期懲役は、現在の日本において、有期懲役より重く、なおかつ死刑の次に重い刑罰とされています。無期懲役を受けるやつらは、殆どが殺人罪です。

同じ無期懲役と言っても、早期の社会復帰がなされてしかるべき有期刑に近い事案から、中程度のもの、死刑に限りなく近い終身又はそれに近い期間の服役が求められるものまで、その犯情は様々です。

法律上は無期懲役においては10年以上の服役の後仮釈放資格を得られるとされていますが、有期刑の上限が30年に引き上げられたこともあり、今では最低でも20年以上の服役が求められるようになっており(有期刑においては刑期の3分の2以上の服役を求められる)、本人の諸状況から30年を超える期間服役している者や刑務所内で死亡する者もいます。

では、無期懲役の判決が下されたケースを見てみましょう。

①覚せい剤取締法違反(営利目的密輸入)、麻薬特例法違反(規制薬物としての輸入)、関税法違反(禁制品の輸入未遂)他

②有印私文書偽造、同行使、旅券法違反、住居侵入、強盗、窃盗、建造物侵入、強盗致傷、強盗致死、強盗傷人

③組織犯罪処罰法違反(組織的殺人)、銃刀法違反(組織的加重所持)、組織犯罪処罰法違反(暴力)他

④強盗殺人、覚せい剤取締法違反、恐喝

⑤わいせつ略取、監禁、強姦致傷、殺人、殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反、窃盗、暴行

これだけでは分かりにくいと思うので、それぞれの事件について説明していきます。

①の事件は、覚せい剤の密輸に何回か成功した経験のある者が、10人を超えるものと共謀し、起訴されただけで798kgの覚せい剤を日本国に不法輸入した事件です。覚せい剤などの違法薬物の輸入・販売を業として行うと麻薬特例法違反となり、法定刑が加重され、「無期又は5年以上の懲役」に処せられます。殺人事件の場合は死刑が最高刑ですが、薬物の密輸に対する最高刑は無期懲役とされていて、本件は薬物密輸事件のうちの最も重い部類と呼べるでしょう。

②の事件は、常習的に窃盗や強盗を繰り返していた者が、強盗によって4名を負傷させ、1名を死亡させたという事件です。強盗致死罪の法定刑は「死刑又は無期懲役」とされていますが、殺意がない場合は死刑は適用されず、実務上の科刑状況は無期懲役又は有期懲役となっています。ちなみにこの事件での被害額は、およそ9000万円にも上っています。被害額が大きいことや常習的な犯行であることから酌量減軽がされず、無期懲役となりました。

③の事件は、2つの暴力団同士の抗争で、拳銃を何発も用意していたキチガイが、多数人と共謀の上、敵対する暴力団組員の1人を、拳銃を使用して殺害したという事案です。拳銃を用意し10人以上の者と共謀した、計画的で無慈悲かつ残忍な犯行です。キチガイには2人を殺害した殺人の前科があるとのことです。刑を科する時には前科も考慮しないといけません。また、私のような一般市民であっても、暴力団組員であっても、命は平等でないといけません。変な理由で有期刑に減軽されることがなくてよかったと思いました。

④の事件は、犯人が他7名と共謀の上、覚せい剤の密売人1名を襲撃して殺害し、現金10万円及び覚せい剤を強取したという事件です。模造刀、刃物、手製ハンマー、催涙スプレー及びスタンガン等の凶器を用意し、ナイフで何回か被害者を突き刺すなどして殺害に及んだ、極めて計画的で無慈悲かつ残虐な犯行です。なお、共犯の6名は殺意無しとして強盗致死で起訴されました。強盗殺人の被害者が覚せい剤の密売に関わっていたことは、以前にも何度も説明したように情状酌量には到底あたりません。

⑤の事件は、被害者をはさみで突き刺したり切りつけたりするなどして1名を殺害し、1名を殺害しようとしたが未遂に終わったという事件です。犯人は他に強姦も行っていて、強姦により被害者に永続的な重大身体障害を与えました。こういった事件は、本当に戦慄するべき事案です。死亡した被害者の方のみならず、生命が危険にさらされた2名の方の心痛もかなりのものでしょう。あまりに無慈悲かつ残虐すぎて、①〜④の事件が軽犯罪に見えるほどであり、①〜④の求刑通りの無期懲役と違い、検察からは死刑を求刑されました。また、裁判所の判決文にも、被告人の仮釈放の審査にあたっては慎重な運用を求めると書かれていました。これは死刑に限りなく近い無期懲役ですね。

①〜⑤はいずれも無期懲役が下された事件ですが、何となく犯情に違いがあると思ったでしょう。

特に①については、「なぜ殺人より重いのか分からない!おかしいだろ!」と思う人間も多いでしょう。実際、この事案は無期懲役でも良いと思いましたが、殺人罪よりこちらの方が重いのは私も納得がいきません。そのため私としては、殺人を犯した者は情状酌量の無い限り必ず無期懲役に処されるのが妥当と思っています。

また、②については、1名を死亡させた事案ではあるものの、③〜⑤の事件と違い、殺意はありません。強盗致死罪(強盗殺人は除く)の法定刑の下限は10年まで引き下げても良いと考えました。死者2名の傷害致死事案より死者1名の強盗致死の方が重いのは納得のいく量刑ではありません。

③〜⑤に共通しているのは、殺意を持って人を死亡させる、つまり「殺人事件」です。殺害人数1人でも死刑の可能性はあるし、死刑囚名鑑や犯罪白書を見たところ、実際に死刑執行された例も多いです。特に⑤については、被害が③や④と比べても甚大であるので、死刑だろうと思った人間も多いでしょう。

現在の無期懲役、またそれのみならず懲役刑全体において、私が運用の在り方に問題を示しているのは主に、「仮釈放」についてです。

現在の仮釈放までの最低期間は、法律では「有期刑においては刑期の3分の1、無期刑においては10年」とされていますが、現実には法律で定められた最低期間より、異常に長く収監が続いていることを、私は問題であると認識します。

現実に拘禁される期間が長期化したことにより、長く拘禁された受刑者は、家族をはじめ外部とのつながりを失う者が多くなってしまっています。結果として新たに犯罪を犯して刑務所に戻ってしまう者が多いそうです。

刑事政策の理想は、「犯罪がなく、刑罰もない社会」でしょう。しかし、現実には犯罪は減少してはいるものの、未だに犯罪が絶えることはなく、高齢者の犯罪率に至っては以前よりも増加してしまっているらしいです。

この状況を少しでも改善するべく、私は以下のことを求めます。

①有期刑においては刑期の3分の1又は7年のうち早い方、無期刑においては7年以上法定上限(法定上限は罪名により異なるのが妥当)以下の範囲で裁判所が言い渡した期間を経過した時に、必要的に仮釈放審査にかけ、その後は数ヶ月〜1年、長くても2年間隔で審査を行っていく。

②仮釈放審査で不許可の決定をする時は、必ず受刑者本人に不許可理由を文面で伝える。

③検察官からの意見聴取は、廃止する。ちなみにどのくらいの期間の服役を求めるかは裁判所が決めればいい。

では、私が掲載した5つの無期懲役判決の事件は、どのくらいの服役を求めるか、私の意見を書いていきます。

まず、①のような薬物関連犯罪においての無期懲役や、②のような人を死亡させたが殺意はないというケースの無期懲役においては、ある程度服役すれば仮釈放の弾力的な運用により早期の社会復帰が図られることが適切と判断します。

次に、③や④のような、無期懲役全体のうちの中程度に値するであろうケースにおいては、仮釈放はされるべきだとは思いますが、服役期間はそれなりに長くなることが適切と判断します。

そして、⑤のような、無期懲役の中でもかなり犯情が悪質で、現在の法体系において死刑と境界を接するであろうケースにおいては、最悪の場合仮釈放を許さずに生涯に渡り刑事施設に拘禁するまであり、仮釈放を許すとしても少なくとも30年を超える期間拘禁することが適切と判断します。

私としては、仮釈放までの拘禁期間は以下の通りとすることが適切と判断します。

①のケース・・・7年ほど

②のケース・・・7〜14年ほど

③や④のケース・・・16年〜25年ほど

⑤のケース・・・終身又は30年以上

とりあえず、無期懲役の在り方のうち、仮釈放に関しての若干の私見を述べてみました。いかがでしたでしょうか。

私が示した③〜⑤の事件の犯人へ一言。他人が勝手に奪っていい生命など、1つもないということを伝えます。あなたたちは、そんなこともわからないで生きてきたのですか。家族や周りの人から教わったことがなかったのでしょうか。なんて不幸な環境にいたのでしょう。私はあなたたちを絶対に許しません。あなたたちは取り返しのつかない最低最悪の行為をしたのです。

読者の皆さんへ。この記事は、日本で起きた凶悪事件を風化させないことも目的として作られています。どうか、凶悪事件を忘れないでください。本件で無念の死を遂げられた4名の方のご冥福をお祈りいたします。

それでは皆さん、おやすみなさい。また明日。

Good night.






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