詩 風の強い日に

(序)

風が強くて寒い日に
寒い心を持て余して
狭い部屋に閉じ籠る

起き上がることも
出来ない僕を
慰めてくれるものがある

じっと耳をすませば
それは聞こえてくる



(其の一)

風の音が聞こえてる

轟轟ごうごうと唸る風

風に揺れる木の葉の音は

風の強さを教えてくれる

風の合間にある静寂

静寂の中に聞く生活の音

それは冷たいようで

やさしいようで

強いようで

弱いようで

さっきまで泣いていた子は

激しい風の音に泣き止んだ

きっと

風の声が彼を慰めたんだ


(其の二)

風の音が聞こえてる

轟轟ごうごうと唸る風

風に揺れる木の葉の音は

風の強さを教えてくれる

風の合間にある静けさと

静けさの中に聞こえる

生活の音

いつにも増して際立つ音は

淋しさに負けそうな僕に

誰かがここにいるって

教えてる

たったそれだけのことなのに

こんなに落ち着くのはなぜだろう

そうだ

僕もここにいる

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