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自分の体型(定数)は変わらないけれど、洋服のサイズ(変数)は変えることができる

 出張が多かった頃、飛行機はほぼANAを使っていた。たいていは、顧客への謝罪や料金交渉の目的だったので、往路の空港や飛行機にいい思い出は、ほぼない。

 ただし、結果はどうあろうと、一仕事終えた復路のおける機内の時間は安堵の時間でもあり、好きだった。大抵は席に着くと、目の前に見える機内誌「翼の王国」を手に取取り、いろいろなエッセイをひと通り読み、最終的ページを迎える頃、飛行機はちょうど離陸。僕は「翼の王国」を元の場所に戻し、目をつぶって眠りに落ちる、、、そんな感じだったと思う。

 そんな「翼の王国」との付き合いの中で、何度か「あ、これはメモっておこう」と思った話がいくつかあった。

 そのうちの一つに、仁木岳彦さんという方が書いた「ストリートファッション観察のススメ」というものがあった。

 あるストリートスナップ写真の著名ブロガーが最もインスパイアされた街はイタリアの「ミラノ」で、その理由はミラネーゼは服のサイズが体にあっているからだと言う。

 実際、ミラノには洋服のお直し屋が沢山あり、当たり前のように自分の体型に合わせて頻繁にお直しをするらしい。ちょっとお腹が出たおじさんも、それを隠すより、自分の体型に合わせてお直しをして、ジャストサイズの洋服を着る。

 そんな習慣が根付いているミラネーゼは、自分にジャストサイズの洋服を着ることがセクシーに見えることを知っているのだとか。

 以前、 林修氏と森岡毅氏が対談していた「日曜日の初耳学」において、定数と変数という話が大いに盛り上がっていたのだが、ミラネーゼの考え方はまさにこの構造だと思う。

 髪、顔、体型、手足の長さなどは変えることができないところはきっぱり諦め、変えられるところ、つまり洋服のサイズ感に手を加えることに注力する。その結果、ジャストサイズの洋服を着ることで、カッコよく洋服を着こなしているオシャレな人になる。

 自分の体型(定数)は変わらないけれど、洋服のサイズ、デザイン(変数)は変えることができる。自分をより良く見せるためには、定数より、変数をける努力をしたほうがよい。

 まずは、自分のベース=定数(外見、素質、能力、得意不得意、好き嫌い)をきちんと認識し、そこは固定されたもの=変わらないものとして、諦める。ここは自分であまりコントロールできない部分なので、ここに労力をかけても無駄におわる可能性が高いからだ。

 一方、変数(変えられるところ、変えやすいところ)は文字通り、自らの努力や工夫で自分の求めているもの近づけていくことができる部分だから、ここを一生懸命磨いていく。

 このロジックはできるだけ若い頃に知っておくべき残酷な事実であり、勝率をあげることができる黄金律であることを、若い頃の自分に教えてあげたい。


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