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なぜ本を読むのか 7000冊の旅

はじめに

読書について話す機会をいただいた。
わたしはただ読むのが好きなだけで、人にオススメもあまりしないし、記録もマメにとってはいない。研究者でもないしコレクターでもない。が、そんな私の読書偏愛ぶりを聴きたい、という人がいるというので、当日のメモがわりに書き起こしてみる。

子どもの頃から数えると多分7000冊くらい読んでる。毎日必ず何らか1冊は読んでいるので、自分でもその旅路をちょっと振り返ってみることに。

WHY わたしが本を読む理由

これだけ情報が溢れている、いつでも世界中の情報にアクセスできる時代に、なぜ本を読むのか。

ネットで何かを知りたいと思うとき、自分の脳内にあり、言語化されたもの以上のことは得られない。つまり、なんらかの方法で手に入れた自分が持っている「何か」を入力することで得られる結果でしかないから。

とはいえ、本を読むときに何らかの理由をつけることはあまりなくて、気づいたら読んでいる、に近い。

あえて、理由をあげるなら

・何かを知りたい、調べたい
・思考を整理したり接続したい
・何かに没頭したい

ただ、何らかの理由で読みはじめても、違うところに帰着することも。何かを調べるために手にした本に夢中になって、結果別の何かと化学反応が起きる、なんてことはザラにある。
(これを書く前に夫に質問したらほぼ同じ答えが返ってきた)

WHAT どんな本を読んでいるか

好きなジャンルは…なんだろう。

没頭できる、という意味でやっぱり物語が好き。
ただし時間ある時に限る。

哲学や心理学、脳科学も好きだし、歴史も好き。
詩集や画集も好き。

システム工学とか、物理学とかは読みません、って言ってたけど、最近これを読んだので、ジャンルの垣根がどんどんなくなってきてる。(この写真は単にネタです)

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ハウツー本みたいなものは、あまり好まないけども、自分に足りないスキルを補うために必要ならば、お手軽版よりもあえて重厚版を読むことが多い。(早く読み切っても結局得られるものが少ないより、時間かかっても気付きが多いほうを好む)

WHEN&WHERE いつどこで読むか

大人になってから、特に出産後よく聞かれるようになったのだけど、本が必要なタイミングならばいつでも。

具体的には、家の中なら早朝、お昼時、入浴中、夜中。
(ずっと読んでるわけではない。この中で読める時)
外に出たときは、電車でもカフェでも。
つまり、一人で過ごせる時間であればいつでも。

HOW どうやって本を選び手に入れるか

本当は書店で選ぶのが好き。さらに言うなら、ジャンル別(図書館みたいに)陳列より、書店側の選書編集の意図が見える書店が好き。なんでここにこれ?みたいなものが並んでいる感じとか、たまらない。

書店に行くと2万円くらい使ってしまうので最近はやはりネット購入。偶然の出会いが減るけれど、近頃のレコメンドは優秀なのでたまに引き寄せもある。オッと思ったらカートに入れておく。絶対いま買う本が出てきた時、カートに入ってるそれらを買うかあとでに残すか決めてる。

この人の推しならほぼ買う(日本語のみ)のはこの御三方。そこからの派生も、あり。

・出口治明さん(APU学長)
・篠田真貴子さん(YELL取締役)
・石山洸さん(エクサウィザーズCEO)

ここからは長くなるので、お時間ある方どうぞ。

おまけ:読書遍歴1 〜小学生まで

こどもの頃から本が好き。6畳のこども部屋も、リビングも、長いほうの壁一面天井から床まで本棚、という家で育った。母の趣味で、タッチが美しく色彩のきれいな絵本がたくさんあった。近くの図書館でのお話会も大好きだった。
よく読んだのはこんな本(著者敬称略)
3歳くらいから月に2回くらい、毎回5冊借りてきてたのと、買ってもらった本など。多分年間150冊くらい。

レオ・レオニ
エリック・カール
安藤光雅
五味太郎
いわむらかずお
中川李枝子

小学生時代。国語の教科書はもらったその日に読み終えてしまう。学校の図書室で毎日新しい本を借り、週末には近くの図書館でたくさん本を借りた。図書館に住みたいと本気で思っていた。

ドッジボールが嫌いだったので休み時間外に行きたくなくて、毎日雨が降ればいいと思っていた。たまの「自習」はずっと本が読めるのが最高だった。

りぼんなかよし全盛期、我が家はマンガ禁止。児童館にあったサザエさんとドラえもんしか読んだことがなかった。なんとなく、マンガはすぐ読み終えてしまう(活字が少ない)のと、想像力がいらない(絵があるから)ので、あまり読みたいとは思わなかったかも。

高学年になると、ハードカバーの重たい本を1日1冊。
毎日部活の練習があったのだけど、早帰りの日とかは歩きながら読んでた。
よく読んだのはこんな本(著者敬称略)

・ドキュメンタリー
・推理小説(ルパン対ホームズとか)
・星新一
・赤川次郎
岩波少年文庫はほぼ制覇したかも
・伝記ものもよく読んだ

でも夏休みに必ずある読書感想文が嫌いだった。課題図書リストから滲み出る「感動するでしょ?」的なオーラが苦手、読むときは本の中の人になってしまっていて。読書はイベントではなく日常だったし、今日1日の感想とか言われても書けないのと同じで、わたしが感じたことの何を、誰に伝えるために書くの?と思っていたかも。
年間300冊くらい×6年間。

おまけ:読書遍歴2 中高生時代

家の近くに書店ができて、1か月1000円のお小遣いはほぼここで消えた。担任が3年間国語の先生で、おすすめの本を教えて、といつも頼んでた。いわゆる文学をたくさん読んだし、新聞の天声人語的なコーナーを毎日要約してた。人生でこの頃が最も「国語」が得意だったかも笑。古文も好きで、あさきゆめみし(マンガ)を全巻読んだけど、岩波の源氏物語を全部読む方が面白かった。

よく読んだのはこんな本(著者敬称略)

・風と共に去りぬ
・長距離走者の孤独
・銀色夏生
・鷺沢萠
・村上春樹
・有吉佐和子
この頃は、読んだ本の後ろについてる紹介を読んで次に読みたい本をリストにしていた。

高校時代、お小遣いは全てオケとバンド活動(スタジオ代高いし、楽器のメンテナンスも高い)に使っていたので、本は両親の本棚から拝借したり、友人に借りたりも多かったような。図書館はこの頃あまり行かず。

よく読んだのはこんな本(著者敬称略)書き出したら女性ばっかりだなぁ。他にはあんまり覚えていない。

・塩野七生
・三浦綾子
・住井すゑ
・山崎豊子

中学は200.200.100冊ってところ
高校は150.150.100冊くらい。

おまけ:読書遍歴3 大学時代

この頃から専門書を読むように。文学部だったけど社会学寄りの学科で、文化とか社会とか心理学とかをよく勉強した。ゼミの選考がコミュニケーション論だったので、卒論に向けてはそんな本ばかり。今よりもコミュニケーション論の本は少なくて、本当に分厚い専門書を読むのが大変だった記憶しかない。買えないし(売ってない)から図書館にはよく通った。

記憶に残っているのはこのあたり。他にも山ほど読んでいた。お金がないのに画集とかもよく買っていた。大学時代はお金はないが時間はあるので豊かだったなぁと今思えば。たぶん、年間150冊くらい×4。

・自由からの逃走(ゼミ課題図書。10回くらい読んだ)
・平田オリザ(ゼミの先生の推しで)
・九鬼周造とかの難しめな本は、この頃から。
・沢木耕太郎
・灰谷健二郎とかもこの頃に全冊読破。

大学卒業してからもう20年以上。年間100〜200冊くらいなので(働く環境によって変動)ざっくり20年×150として。ここまでの合計で約7000冊。ありがたいなぁ。

さいごに

振り返るとまぁいつもなんか読んでいたんだなということがよくわかる。このnoteそのものにオチはなく、得られたビューも特になく。今度の読書イベントが終わったら、何か追記する(もしくは別立てする)かもしれません。

これからもたっぷり読みたいけど、読むには残りの人生が短すぎるなぁ。

いま読みたいのは、やっぱり物語かな。時間を気にせずひたすら読み耽りたい。

あと、家が床抜けそうなので、人に本をさしあげたい!(勝手に持って行って欲しい)


追記:思いがけず多くの方にこちらを読んでいただけてとても嬉しいです。イベントを終えて、続編らしきものを書いたので貼っておきます。


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