うつわや half lotus

はじめまして。うつわや half lotusの藤原といいます。 ここでは、器にまつわる…

うつわや half lotus

はじめまして。うつわや half lotusの藤原といいます。 ここでは、器にまつわる話やそうでない話も気ままに書いていこうと思っています。

最近の記事

改めて小林カツ代さん

久しぶりに小林カツ代さんの本を読みました。 レシピ本も好きですが、こういうエッセイ本の文章も好きです。 豪華に見えて洗い物も少なくなる「ひと盛り料理のススメ」、 レシピだっていろいろな「本当のことはひとつじゃない」など、 ”なるほど”と思えることがたくさん書いてあります。 彼女の文章が魅力的なのは、彼女自身もいろんな失敗をしてきて、いろんな疑問をもって、食べるということを真剣に考えてきた人だからだと思います。この本の中には、新婚当時に初めてワカメの味噌汁を作ろうとしたら、

    • 28年ぶりの『恋する惑星』

      ウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』(レストア版)をスクリーンで観ました。映画の詳細を覚えていなかったので、 「あれ?こんなシーンあったかな?」と思う部分もちらほら。 それでも透き通るような声のフェイ・ウォンの歌が流れると、初めてこの映画を観たときの衝撃が蘇ってきました。 自分にとって映画といえば、日本映画かハリウッド映画が大半だった当時、そのどちらでもなく、日本ではないアジア、香港の日常風景とそこに暮らす人たちがいました。未知の世界を覗き込んでいるような気分でした。

      • 漆のお椀

        台風14号が過ぎ去って、空気がひんやりしてきました。 そうなると我が家で登場するのが、漆の椀です。 中の汁物が熱々でもお椀は熱くなりませんし、口当たりも滑らかです。 冷たいものでも、オイリーなものでも大丈夫です。 ただ、太陽の光には弱いので、日焼けは要注意。 写真の椀は猪狩史幸さんの作品です。 以前、「漆は扱いにくそうなんですが」と言うと、 「自分の手と思えば大丈夫ですよ」との返事。 自分の手が汚れたらすぐに洗うように、漆器を使ったらすぐに洗う、 自分の手を洗ったらすぐにタオ

        • 映画やドラマの食事シーン

          映画やドラマを観ていて、つい見入ってしまうのが食事のシーン。 何気ない日常の食事シーンや大事な話をするための食事など。など 今でも印象に残っているのは、「バッファロー66」という映画で 男性と女性が食事をするシーンです。二人の様子を真上から撮っていたんですが、その切り取り方が当時の私にとっては斬新で、今でも覚えています。 しかし、食事シーンの王道は、何と言っても「日本むかしばなし」で山小屋に住むおじいさんやおばあさんが囲炉裏で作ってくれる鍋ではないでしょうか。今考えてみると使

        改めて小林カツ代さん

          料理が先か器が先か

          朝目が覚めた時から、その日に食べたいものが決まっていることがある。 だけど、今日はいつもと違っていた。 私の意志ではなく器たちの意志だった。 うちには150年ほど前に作られた韓国白磁が3点ほどある。 本当に150年も前に作られたものかどうかを見極める目は持っていない。 それでも、そうなんじゃないかなと思っている。 それは、その子たちが「話しかけてくる」からだ。 実際に声を発しているわけではなく、私の頭の中だけに聞こえてくるといったほうが正しい。 長い年月、使われてきた道具や器

          料理が先か器が先か

          はじめまして。

          うつわや half lotusの藤原といいます。 岡山市内で作家ものの器を扱うオフィスを構え、年に数回、レンタルスペースで展示会や企画展を開催しています。 備前焼作家の家に生まれたことから、轆轤(ろくろ)、練り上げられた土、登り窯、高く積まれた薪、土の不純物を取り除くための水簸(すいひ)などに囲まれて育ちました。 うつわや half lotusでは備前焼の取り扱いはあまりしていないのですが、 こうした環境が自分の器の好みに大きく影響しているのは間違いありません。 何十年も使っ

          はじめまして。