膝枕される町屋の紅天狗

京都大学文学部3回生 世界各地のゲテモノを食べて回るのが趣味 私の言葉は毒です。 文学…

膝枕される町屋の紅天狗

京都大学文学部3回生 世界各地のゲテモノを食べて回るのが趣味 私の言葉は毒です。 文学。映画。労働。海。山。日々の生活に基づいた哲学等。

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パリのメーデーに参加してきた話

万国の労働者よ団結せよ! 私腹を肥す資本家を倒せ!腐りきった資本主義を打倒せよ! 読者諸兄はメーデーというものの存在を知っているだろうか? 日本では影が薄いこのイベントだが、要は労働者の祭典である。 毎日満員電車に揺られて出勤し、低賃金で資本家にこき使われ、家に帰ってコンビニ弁当を食べて眠る。そんな万国の労働者たちが自分たちの職場環境を改善すべく賃上げ要求や待遇改善を求めて一同に会して街を練り歩くデモを大々的に行うのがこの日、毎年5月1日に行われるメーデーである。 発祥は

    • 映画「バービー」評

      巷で「最悪のクソフェミ映画だ!」「原爆を揶揄する広告を打ったカス映画だ!」と散々な叩かれようをしている映画「バービー」。 叩かれている映画ほど観たくなるのが人情というものである(筆者はそれで史上最強のクソ映画こと「大怪獣のあとしまつ」を映画館で観たこともある)。 そこで今回は西欧に飛ぶ飛行機内で話題の「バービー」を観てみた。 さて、結論から言うと、「バービー」を観て「クソフェミ映画である」と断ずる人間は自分がクソオスであり極度のミソジニストであることを公言しているに等しいと

      • 思考の源泉~2023年度版~

        初めに私の思考・表現の源泉は本と映画である。これは声を大にして言うことができる。私は反・教養主義を掲げる教養主義者である。毎年「読書100冊・映画100本」を目標に掲げて実践している。 私はかなり戦略性をもって自分が読む本を選書している。また、そのときどきに合わせた興味関心の移り変わりを反映している。 このnoteは今年読んだ本を一月から順に列挙しながら各月において私が置かれた状況を振り返る、一種の今年の総括文的役割も兼ねている。各書籍についての言及は一言付すくらいに留めるが

        • 一人称の転倒による価値観の破壊

          最近よく感じることなのだが、一人称が「俺」や「僕」の女の子が増えてきている。一昔前なら「ボクっ娘」という名称が与えられ周りから特別視され、アニメ作品にしか登場しない、現実にはほぼいない存在だと認識されていた。”男”勝りな性格で、負けん気が強く、”男性”性が強い女性が稀に使う一人称が、”本来”は男性の一人称である「俺」や「僕」だったのである。実際に私が小学生のときに出会った「ボクっ娘」はそんな性格だった。そして実際に男子に混ざって毎昼休みはドッジボールをし、男子よりも足が速い…

        パリのメーデーに参加してきた話

          「君たちはどう生きるか」感想

          人妻エロすぎ。夏子さん出てきていきなり少年の手を取って自分のお腹に当てる(赤ちゃんを通して性行為の存在を眞人に知らしめる)のは思春期の少年にとってかなり大きな体験。原初的な性体験と言ってもよさそう。同様に、夏子さんと実父がイチャつくのを覗くシーン、これも思春期の少年の脳に強烈に焼き付く。この時点で眞人にとって母親と言えば実母、夏子はまだ“実父と性的関係を持って良い“と認識していない。ある種の不倫関係と捉えてる、さらにそれを自分が覗き見しているという二重の背徳感を味わう。「親に

          「君たちはどう生きるか」感想

          函館に飛ばされたヒッチレーサーの話

          27日 北の大地が見えた。函館の街である。 北海道に向かうフェリーの上。しっかり頭を抱えた。どうやって帰ろうか、まずはフェリー券のお金を工面して…、と様々な思いが胸に去来する。 とはいえ初めての函館の街である、どうしたってテンションは上がる一方だ。広い!デカい!道路はだだっ広い!北海道最高!ドライバーのお二人にラッピ(ラッキーピエロ)に連れて行ってもらい、ハンバーガーとポテトフライと烏龍茶をご馳走になる。美味しくて嬉しくてラッピ名物幸運の鐘を鳴らしたところ……宇宙から舞い降

          函館に飛ばされたヒッチレーサーの話

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          僅か半畳の床の上にて

          私は何をとち狂ったのであろうか。パソコンの前に座り込んでウンウン唸りながらこうして文章を捻りだしている。森見登美彦の「四畳半神話大系」を読んで唐突にnoteなるプラットフォームに爪痕を残してみたくなったのだ。聡明なる読者の皆様はもうお気づきであろうが、文体も森見に多大な影響を受けている。だが所詮は無才の猿真似。化けの皮が剝がれるまでしばしお付き合い頂こう。 この文章の読者諸賢について私は知るべくも無いし、さして知ろうとも思わぬ。しかし諸君はどうであろう。森見に憧れて唐突に筆を

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          僅か半畳の床の上にて