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北海道の農業倉庫にスタジオを作った (作曲・映像・絵描き用)

作曲、映像編集、お絵描きなどをするための作業場を紹介します。今年10月に開催したピアノコンサート「ピアノシュラハト3」にいらしていただいた方に「作業場を紹介します」と約束していたやつでもあります。こんなところで何ですが、2024年1月6日から一週間、そのピアノコンサートの様子をStream+で世界配信する予定です(最下段にリンクがあります)。

昨年稼働し始めた頃/ウペサン作業室と名付けた

農業倉庫内に建設

昨年晩秋に完成した作業部屋。地元の知り合いの人に、100平米ほどある農業用倉庫の二階部分に作ってもらった。広さはせいぜい5畳ほどだが、厳しい冬の暖房効率も考えるとちょうどいい。倉庫内に別に小屋があるのですぐ使わないものはそこにしまっている。

壁や天井、床下には分厚い断熱材が敷き詰められており、外気温氷点下25℃程度までは仕事ができることは確認している。さらに保温効果を上げるべく、床の裏側(一階の天井)にこのほどDIYで断熱補強工事をしたばかり。

通勤時間はほぼ10秒ジャスト。積雪が厳しいときはスノースコップで掘って進むので、数分かかることもある。トイレは母屋にしかなく、作業場、倉庫、風除室、玄関、リビング、廊下、トイレ…と7つのドアを開閉しなければ辿り着けない。

窓からは広大な農地や南大雪の山々が見える。倉庫反対側から何十メートルも伸びる防雪林の影、毎年真っ先に白くなり最後まで白いウペペサンケ山、朝靄の中を走る姿が幻想的なお隣さんの大型トラクター、アカゲラやシマエナガなど北国ならではの鳥、銀世界に沢山の足跡をつけて走り回るキツネなど、一年中眺めていて飽きない。

また周辺の農地は輪作であるため、甜菜の山、トウキビの草原、麦稈ロール…と畑の様子も農機の働きぶりも毎年変わって「景変」も存分に楽しめる。ここで珈琲を飲みながら液タブをやる時間は格別である。

映ってるものを紹介

適当に写真を並べつつ適当に解説していきます。

開場当時/北海道の倉庫独特の左右非対称の屋根

テーブル:DIYで自作したもの。イスを90°回転させるだけで、音楽制作モードと液タブ・画像制作モードを瞬時に切り替えられるように設計した。テーブルにMIDI鍵盤が入り込むような構造だが、低域を打鍵したりピッチホイールを触っても液タブやペンに手が当たらないよう、また窓がモニターで隠れないようミリ単位で調整。左右に動かせるPCキーボード台や、PC・電源ラックも作った。

間接照明:テープライトを使用。画面に映り込まないのが本当に機能的。

主に音楽制作用モニター:移住する前から頸椎を悪くしていたのだが、頭を俯き加減にするとかなり調子がよくなることがわかったので、モニターを鍵盤の向こう側に潜り込ませ、上から覗き込むような角度で配置した。

ポータブルモニタ(写真中央):動画を流しっぱにする用。(原稿書いてる間に別室に転用)

FIX窓:外の景色をしっかり見たいので、開閉部のないFIX窓(はめ殺し窓)を購入、簡易な設計図を書いて業者さんに渡して設置してもらった。厳冬期の寒さが凄いのでアルゴンガス入りの三重窓にしたが効果は抜群。

換気窓:横すべり出し式。倉庫の頂点部にあり、初夏にオオスズメバチがよくやって来る。

カレー自販機のミニチュア:ガチャガチャで買った。

取り出し口が開閉する

アロマキャンドル:こういったものを喜ぶ人間になるとは思っていなかったが、パリでイメルア体操をやったときに参加者のファンの方に貰って以来、気に入って時々買うように。

ネコの陶器(2コ):上の子にもらった。プリンかなんかの器。

YAMAHA HS5:スピーカー。上の子が使ってたやつのお下がり。

KEYSTATION88 MK3:MIDI鍵盤。最近5B♭が反応しなくなった。

白樺:敷地内の防雪林の端に何本かある。鳥がたくさん留まる。

倉庫感を残すため鉄骨やワイヤーを残してもらった

Mac mini(M1 2020):主にCLIP STUDIO PAINTPhotoshop用。

主に映像編集用モニター
:…だったが、Mac Studio M2 Maxが来てから主に静止画用に。日本にPhillips社製モニターが上陸する前からPhillipsを使っていてこれが3台目。それでも現在稼働している5台の中では一番古くなった。液タブとマルチディスプレイで使用。ただこれでも画面が高くて頸が辛い時があるので、大型の液タブを購入して統合したいと思っている。22インチほしい。GAOMONどうなんやろ。

Wacom Cintiq 16 FHD:液晶ペンタブレット。前述の「俯くと頸に良い」ことを気づかせてくれた恩人。描いてる間ずっと調子がよく、一ヶ月間一度も悪くならなかったことで音楽側の「覗き込むポジション」を思いついた。曲書きも大分楽になった上、CLIP STUDIOで得た技術が作曲に色々リンクして作業の効率化が今更進んだ。もう描き続けるしかない。

今月、デバイス類をブラックで統一した

Magic Keyboard、Magic Mouse、Magic Trackpad:そんな格言はないが、長年『左パッドの右マウス』で慣れていたので、2台のMacそれぞれにAppleのデバイストリオを配置(計6個)。絵や画像編集などの静的コンテンツ制作サイド(Mac mini)はブラック、映像や作曲などの動的コンテンツ制作サイド(Mac Studio)はホワイトで色を統一している。静動の呼び分け方の問題はともかく、動的側のトラックパッドだけ第1世代のシルバーで、あとは最新。

TourBox Elite:先日買ったばかりの左手用デバイスで、主にCLIP STUDIO PAINT用。左の主戦力であるMagic Trackpadはショートカットキー機能はないものの、スワイプ、ズーム、回転などの性能は素晴らしく、十分事足りていた。しかしとうとう購入。ブラックフライデーとは恐ろしいものである。

Mac Studio M2 Max:今月導入したばかりの作曲・映像用マシン。長年お世話になっているサウンドウーノの宇野さんに北海道までセットアップしにきてもらった(出張セットアップの最長距離記録になったそうである。宇野さんとは20年以上前にアンリミテッドサガかなんかの仕事の時に、メモリ上限500MBだったGiga Samplerを当時の日本記録らしい700MB強で動かせるマシンを作ってもらって以来のお付き合いで、昨年は上の子のMac Studioもお世話になっている)。今回の刷新を機に各種アプリのショートカットキーを覚え直したり、左手デバイスにコマンドを割り当てたり、ウィンドウの使い方も大きく改めて、作業の効率化を徹底的に進めつつある。また四半世紀ぶりにDigital Performer以外のDAWソフト(Cubase Pro)も導入した。この心境の変化はやはりCLIP STUDIOの影響である。また本機は当作業場最高のスペックとなったので、Premiere ProAfter Effectsでも使用することに。早速「Pianoschlacht Ⅲ」の映像を編集している。

カーテン:①ステンレスワイヤーを必要な長さにカットする。②ワイヤーの両端をヘアピン状に曲げ、アルミスリーブで圧着させて輪を作る。③それを窓両サイドに打ち込んだネジに引っ掛けて強めに張る。④綿麻をカットしてカーテンクリップでひっかけてできあがり、と。(CV:作間功)

フットレスト:ただのOSB合板を置いただけだがとても楽。

小さな引き出しが10個ついている収納箱

田中歯科器械店の器材収納箱
帯広のリサイクルショップで購入。結構古いものだが、充電池やフォーンコネクタ、替え芯などの小物収納に非常に便利。壁に取り付けたが棚受金具の見た目がよくないので杉材等に変えてやり直したい。田中歯科器械店さんは東京の同じ場所に健在の老舗で、今年創立100周年。おめでとうございます。

天井のワイヤー:農業倉庫が傾かないように。

モニターから壁までは1メートルほど/壁側に仮眠できるベンチソファを作ったが母屋が目の前なのでほとんど使わない

ウルトラワイドモニター:壁に掛けてあるやつ。世界各地のライブカメラや道路交通情報等を流しっぱなしにするためだけに奮発して買った。サービスエリアや道の駅のインフォメーションコーナー感を味わいたかったからである。画面を3分割して使用。

LEDライト:アホげかとは思いつつも、小さい照明をぽつぽつ灯すのが楽しくて、気づいたらエジソン電球やらランタンやら部屋中に13個も取り付けていた(全てLED)。間接照明用のテープライトも総計9メートル分這わせている。作業を始める時にこれらのスイッチを一個ずつオンにしていくと結構やる気が出る。逆にオフにしていくと「今日はもう仕事に戻らない。ちゃんと休む」と自分に言い聞かせられる。

動的コンテンツ制作サイド

スッパリマサシ(イラスト色紙):漫画家、榎本俊二さんのBOOTH受注品。「ゴールデンラッキー」のスッパリシリーズが好きだったのでつい。

ヘタちゃん:学生時代に自分で作った紙粘土の人形。同じく「ゴールデンラッキー」のキャラ。

ボディちゃん:デッサン人形。数百万再生稼いでいるイラストレーター兼ボカロPをやってる下の子に相談して買った。ここ一年間同じポーズのまま。

CD:屋根の頂点の鉄骨部に並べている。今の所「IMERUAT」と「汝、我が民に非ズ」のみ。どちらも4thアルバム待ち。

写真:ヘルマンとシャルロッテ。私の両親が下宿していたミュンヘンの家の夫婦で、次男が事故で亡くなった直後に自分が生まれたので生まれ変わりのように可愛がってもらった。シャルロッテが亡くなった後、ミュンヘンに再訪したとき三男にもらった写真。

網走の民芸品:木彫りのスズラン?人形(名前失念)。網走はニポポ人形や流氷小僧が有名だが、これはあまり見かけない。

SOLIGA SOMMAR SANGER:夏にふさわしい歌の歌詞が沢山書いてある小冊子。ストックホルムの古本屋かどこかで購入。

IMERUAT関連:「TeNiOE」と「CAFE IMERUAT」のポストカード。2012年のパンフレット。FIX窓側に「暗殺したい!」のキャラデザ案のコピー。

コニーライト:LINE FRIENSのやつ。かわいくてとても気に入っている。

斜め後ろから見たコニー/スタンドもつけた

ハートカズラ:今年の誕生日にもらった。あまりに長くてここしか置くところがない。

Mac mini(Intel 2020):上の子からのお下がり(こればっか)。上記、ライブカメラ流しっぱ専用に使用。

その他:ウロコダンゴの箱。黒猫のポストカード。スピーカースタンド。右奥が出入り口。

その他、反対側や建設中の様子はまた今度投稿します。来年は定期マガジンを始めます。

作業が捗る
冬は湿度が異常に低いからか珈琲が進む
子供の頃から北海道で一番気になっていた山
名峰ウペペサンケ

ピアノコンサート「Pianoschlacht III」2024/1/6世界プレミア配信についてはこちら

最後までご覧いただきありがとうございました。

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