海外ドラマ パニック 貧富の差の書き方がエグイ。基本は陽キャマインド。

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テキサスの片田舎の小さな町では、高校の卒業後に秘密の儀式が行われている。
パニックと言われる、その儀式は希望者の卒業生を集めた危険な度胸試し。
パニックを行うために、生徒たちは積立金のようなものを日常的に取り立てられている。
勝者は一人で、パニックの賞金を独り占め出来る。
パニックは誰が開催しているのかはわからないが、イベントを取り仕切るスタッフも町の人間で過去の参加者であることが多い。
去年のパニックでは、参加者が2人も死亡している。
この町に住む主人公のヘザーは、はじめはパニックに参加する気はなかった。
しかし、アル中で育児放棄気味の母親に町を出るための資金を盗まれたため、意を決してパニックに参加する。
一話のヒキは最高に盛り上がり、構成も見事。

アメリカの田舎の閉塞感は、日本よりも深刻なのだなぁというのが伝わってくるのがきつい。
アメリカは広いので、都市部へ行って住むのも大変。
気軽に旅行にも行けない。
主人公のヘザーの家もトレーラーハウスで美容師の母と妹と何とか生活できている。
妹は遊ぶ場所もお金もないので、毎日町の図書館で預かってもらっている。
ヘザーは妹と町を出る資金を集めるために毎日バイト漬けだが、そのバイトも冒頭でクビになってしまう。
ヘザーに落ち度がある訳ではないので、単純に人を雇わなくてもやっていけるくらい町は寂れているのだ。
ヘザー自身は利発で想像力も豊かで物書きの才能もある。
友人たちからは、本気で作家を目指すように薦められるが、ヘザーは生きていくのが精一杯。
町を出て経理の仕事につくための大学を探している。
ヘザーの友人たちは、ヘザーとは違って裕福で、彼女の苦労を本当の意味で理解はできない。

序盤こそヘザーの想像力は活かされるものの、後半になると、それ程でもない。
このドラマ、面白いのだが、ちょっと色々雑。様々なフリが重要そうで大したことなく、別な大きなサプライズで驚かされはしない。
また、全体的にライターが陽キャ思考で、前に紹介した「シェルター」とは違って、集団に馴染めない若者の悩みはない。
ヘザー自身の悩みも「貧乏」以外は、視聴者的には重大には映らないだろう。
ヘザー自身が結構有能なので「何とかなるだろう」感が強い。
序盤から出てくる、どう見ても高校卒業したばかりに見えない田舎のヤバいヤツ的なジャイアンが、後半にいくにつれて綺麗なジャイアンになっていくのは首をかしげる。
いや、こいつ良い奴にしたいのわかるけど、序盤にクズ行動多すぎなんですがと思ってしまった。

シーズン2があっても、そこまで盛り上がらないのではないかと思う。
俳優も制作陣も有能なのだが、何か噛み合わない印象を受ける。
でも、とにかく貧富の差の残酷さを描くのだけは、上手い。
俺は生まれは都内で千葉に引っ越してきたけど、電車で都心部に出れるし、田舎のしがらみも経験したことないので、刺さったなあ。
このへんは生徒や卒業生からも話を聞いたことあるけど、大変なんだなぁと。
皆さんはどうでしたかね?

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