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ドライ。



一番高いところで
咲き誇った花は枯れて
葉は萎れて俯いて
せいを置き去りにしても
根は水を吸い上げて
生きようとする


いくら進む方角がわからなくて
足を投げ出して座り込んでも
心臓が止まらないのと同じように
美しく咲いていたあの時のまま
立ち止まっていたいのに
セカイは凍ってくれない


どこまでも差し出せたこのココロ
いつしか心じゃなくなった
最初から誰のものでもないのに
奪って奪われて色も形も変わっちゃった
反対色を加えてごまかし続けて今さら
透明になる方法が見つからないよ
すべて洗い流す以外に


美を知るための醜態だったのかな
それともただの愚弄だったのかな
モノクロの交差点のド真ん中
点滅した信号にウィンクすれば
すべてが静止して星屑になる
他でもないただ私のために


白も黒もあって当然
白も黒も愛して当然
それなのにどうしてかな
ひっくり返して増幅する傲慢
必死に守って疲弊して散漫
何も生まれないオセロ


もう飽きちゃった疲れちゃった
だって美しくないから
平和も平穏も平安も
全部平らの後に来る
デコボコの心を伸ばして伸ばして
ついでに器も広げられたら


あんなに熱を帯びたリング
降りてみたらどうってことなかった
拗ねていじけてこれまでの自分で
ぶっ壊れるまで一人で勝負
ハリボテの私を置いていくから
虚しくなるまで殴ったらいい


愛ばかり叫ぶ人よりも
悲しみに素直な人のほうが信じられる
愛とは何かを説かれるよりも
ただ黙って抱きしめられるほうが信じられる
愛が何ものか追究するよりも
あなたを通して自分を知る方がよほど愛があった


あの光を目指したら
どれくらい遠くまで行けるかな
ここで殴り合った日々が霞んで
見えなくなって忘れられたら
そう思いながら人は
来世に宿題を持ち越していく












近くて遠い
宇宙に還るまで
ずっと












ずっと







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