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「調味料は適当でいいって何?」管理栄養士が考える料理が苦手な人のための3つの対策方法

料理が苦手と感じる人にとって、料理が億劫になる理由のひとつに調味料を測るのが面倒だなと感じる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

よくこんな場面はありませんか?

レシピ本を見ていたら、『塩…適量』とか、
『ゴマ油はお好みで』とか
どうやって作るの?と聞いて
『醤油と酒と砂糖少しかな?』とか

「え?どれだけの量ですか?」
と聞き返したくなりませんか
私もよくお世話になっているクックパッドさんに「どれだけだよ!」と突っ込んだことがあります。

また、材料は同じ分量なのに調味料の量が違う
レシピがあったりしませんか?

なぜ調味料の量を『適量』『適当』『お好み』
のような表現があるのでしょうか


その理由を私なりに考えてみました。




『調味料は適当でいい』と書かれる理由


①   個体差やモノによって味が違うから

どうして個体差によって味が違うのでしょうか?
例えば食べ物ですと、産地や旬によって
おいしさが変わりやすいと思います。

また産地や旬によって、
水分や熟成の度合いも変わります。
美味しさの基準として、
甘さに深みがあったり、
うまみが濃かったりしますよね

お魚だったら脂の乗り方で
おいしさが変わったりもします

あと、私の好きないちごも
1・2月などの寒い時期の方が
よりおいしいと感じると思います

また“芋の煮物“を例に例えると
じゃがいもか、さつまいもかで
同じ分量の調味料を使ったとしても
甘さや味が違うと思います

このように、同じものでも個体差があったり
似たような種類の中でも
違う食べ物だったりすると 
甘さやうまみ、水分、脂の含まれる量や質によって
おいしさが変わります

そうなると
大して調味料をいれなくてもおいしかったり
そのままで食べられるものがあったり
または、
しっかり味付けして食べるものがあったりと
調味料の量はその時いただく
食べ物で量がきまりがちになり
個体差やおいしさの違いによって食事を楽しめます



②   調味料によって味がちがうから

これは単純に
しょうゆはしょうゆでもメーカー等によって
味が違ったりすることがあるからです

これは価格が高ければ
おいしいという訳ではありません

今さらですが
今回はお醤油を例にお話しします

購入するしょうゆによって味が変化するため
毎回違うしょうゆを買ったりすると
いつも違う味になります
ですから自分好みのしょうゆの味を見つけることも
料理を楽しむコツにもなります

わたしの場合ですと
5年間様々なしょうゆを試した結果
結局落ちついたのは、
実家でも使っていた一番安い
濃口しょうゆに落ち着きました
小さいころから馴染みのある味に行きついた
ということですね

あとついでに、
最近お気に入りのだし醬油が見つかりました
これ一本で和え物の味が整ったり
煮物にわざわざだしの素をいれなくても
このだし醤油を使えば美味しくなりました

それは

『イチビキさんの 昆布・椎茸しょうゆ』です

少し値がはってしまうのですが
わたしの場合
濃口しょうゆはお値打ちのものを使っているので
2つのお醤油をこだわって使うのと
同じくらいの値段になります
ですので、これはこれで“マル“にしています



『調味料の分量が適量または適当』とされていたときの3つの対策方法


私なりの経験をもとにまとめました

①   液体ものだと小さじ1から入れてみる

何人分のお料理を作っているか?にもよるので
ここでは3,4人分のお料理を作っているときを
例にお伝えします

まずは液体物の調味料だと
小さじ1からいれてみましょう
液体物とは酒、みりん、しょうゆなどです

個体ものだと、小さじ1/2から入れてみましょう
みそや、砂糖ですかね

信じられないかもしれませんが
具材の量に対して
圧倒的に調味料の量が少なくても
少し入れただけで味が変化するものです

余裕があれば、記載されている調味料を
一度に全部入れてしまうのではなく
一つずつ入れながら味見をしてみてください
味の変化を体感できると料理が楽しくなります

だまされたと思って一度試してみると
新しい発見があるかもしれません


②   調味料の味が薄いものから加えてみる

たくさんの調味料をいれる場合、味の薄いものから入れてみましょう。

例えば、しょうゆ → 砂糖 の順番でなく
砂糖 → しょうゆ の順番です

途中で入れすぎた!または入れる調味料を間違えた!
と気づいたときは、味が薄ければ薄いほど修正が可能になりやすいです


③   味の調節方法を知っておく

「調味料が適当とかいてあるから、
適当にいれてみた」
けど失敗してしまった!
というケースはありませんか?

または、少しだけ入れるつもりだったのに
たくさんの調味料が入ってしまった!
なんでことありませんか?

わたしはあります。

味見をしてみても、
そこから味の調整をするのに
何を入れたらいいのか分からない場合はありませんか?

味見の後に何を入れたら調整できるのか
ヒントになれば参考にしてみてください

1. 甘すぎた!という時は

粉末の和風だし(ほんだしと呼ばれるもの)
を入れてみましょう
量は、親指・人差し指・中指の3本で
つまんでとれるくらいの量。

たったこれだけで味が変わります。
新人時代、お局様が味を直してくださったのですが
ほんの少しの量で魔法のように味が変わりました

2.辛い(主にしょうゆ)と感じるとき

煮物や和え物でお醤油を入れすぎてしまった場合。
もしくは煮込みすぎて味が濃いぞ?という場合。

甘くしたいときは砂糖をいれたらいいですが
もう全てが濃くて困ってしまった。

そんな時は、潔くお水を入れましょう。
白湯がベターですが、
おうちでは私は水道水を入れています

和え物の中に水を入れて、ゆすぐ。
そして絞って、また味の調整をしましょう

煮物も水を入れて、少しぐつぐつ煮込んで
しみ込んでいたであろう調味料を
なんとなく抽出して
でてきた汁を捨てましょう。

そして また水を入れて火を通したら
味を調整しましょう。

これらもよく 
新人時代に病院の厨房で実践していたことです


3. 素材の甘さだけではなんとなくぼやっとするとき

実例を挙げてみます
先日、同僚の方が実践していたことなのですが

この日の献立はさつまいもとかぼちゃを
茹でてつぶした副菜でした
味付けは、レシピ通りだと
砂糖を入れるはずでしたが
さつまいものもともとの甘さだけで
十分美味しかったのです

ですが、味がぼやけていたような気がしたので
塩を一つまみ入れていました
するとより素材の甘さが引き立てられたような味に変身しました

味の調整にも限度がありますが、
これらのように味付けをしすぎてしまっても
調整することができると分かっていれば
堂々と目分量で入れられる気がしませんか



④   覚えるまで何十回も測って作る

結局、覚えるまでレシピをみて作るということです

軽量スプーンを使ってはからなくても
目分量で入れることありますよね?
レシピの分量を見るけど、
軽量スプーンでしっかり測るのでなく
スプーンを使わずに『大さじ1はこれくらい』
で入れてみる

これを繰り返していけば
分量を覚える準備ができるので
試してみるのもおすすめします

そのうち
『これくらいだった気がする』
が成功したら最高ですね
成功したら私も一緒に喜ぶので
その際は教えてください

ちなみに、『これくらい』でいれようとしたら
ドバっと入ってしまった!!そんなときは
他の調味料も同じように増やして入れましょう
レシピに書いてある、
“割合“を守っていれてみてください
煮物であれば、煮込みすぎに注意です

具材がやわらかくなっていたら
余熱で味がしみ込むことがあるので
火を消して味の染み具合の様子をみてみましょう




調味料を測ることのメリット


ここから補足として管理栄養士らしく
調味料を測ることのメリットをお伝えします。

①    生活習慣病の予防になる

私たちが日々摂取するお食事の中で食塩は調味料からの摂取が全体の7割を占めていると言われています。

これは単に「塩」としてだけでなく
みそやしょうゆなどに含まれている塩分を
換算して計算しているからです。

また、調味料を測るという行為は
いつも決まった量を摂取していることになります

いざ塩分の摂取量を減らしたいというとき
食生活を見直しやすくなるポイントになります

また、高血圧や糖尿病などの疾病をお持ちの方で
栄養管理が必要な方は
ぜひ、かかりつけの病院で栄養指導を
受けていただくことをお勧めします

②    料理の味が安定する

冒頭でお伝えした、個体差やモノによって
味が多少変化する場合がありますが
しっかりと測ることにより、
毎回つくる度に味が近しい味になると思います

また、レシピ通りの味を再現するには
やはり測って味を調えるのがベターです

ちなみにお菓子づくりやパン作りには
必ず測ってください
測らないと、失敗しがちになります


以上が調味料を測ることのメリットでした




料理が苦手だと感じる方に、
調味料を測る・入れることが億劫に感じるのではなく
少しでも楽しんで
お料理に挑戦していただくための記事でした


憧れのサッとお料理をつくるにも役立つ
目分量で調味料を入れること

これに近づくためにも、
調味料を測ることのメリットを理解しつつ

その人らしさの味ができ
おいしい喜びが広がることを祈っています


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