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昔の妖怪52 『絡新婦 じょろうぐも』

妖怪の本を参考にして

少しアレンジ入れて描いてみた。

良かったら見て下さい。



では

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昔の妖怪52『絡新婦 じょろうぐも』

絡新婦(じょろうぐも)は、

日本各地に伝わる妖怪一種。


美しい女の姿に化けることが
できるとされている


徳島県に伝わる昔話では、

ある村の庄屋では息子の婚礼が決まり

父親である庄屋様はとても喜んだ。

そんなある時、その庄屋の家に旅をしている

盲目の美しい女が

「道に迷ったので一晩泊めてほしい」と

尋ねて来た。

それを聞いた父親と息子は

女を気の毒に思って泊めることを承知した。

その日の翌日の朝には女は旅立った。


しかしそれ以来、息子は日一日と

顔色が悪くなり、痩せ衰えていった。


そして村では

「毎晩、丑三つ時になると息子の部屋に訪ねて

くる女がいる。」という奇妙な噂が

広まっていた。


心配になった父親は息子に何があったかを

尋ねた。

すると息子は

「女が毎晩、自分を訪ねて来て優しい目で自分

を見つめられる幸せな夢を見ているんだ」と

話した。


それを聞いた父親はその夜に隠れて

様子を見ていると以前、家に泊めてあげた

旅の女が息子の部屋に入っていった。

次の日になると父親は

村中で腕の立つ猟師を何人も呼び集めると

息子の部屋の天井などに隠れさせた。

そして夜になるとやはり女が来た。


すると女は巨大な絡新婦の正体を露わし、

寝ている息子の生血を吸いだした。

隠れていた猟師たちは恐ろしさに震えながらも

絡新婦に向かって一斉に矢を放った。

絡新婦は悲鳴を上げ、

無数の矢が刺さりながらも逃げようとしたが、

猟師たちは止めを刺そうと

絡新婦を取り囲んだ。

だがその時、目を覚ました息子は

「殺すのだけはやめてくれ!」と

必死にお願いした。

それを見た父親は猟師たちを下がらせると

絡新婦に「息子が言うから命は助けてやる。

しかし、山に帰ったら二度と里には下りて来る

んじゃない」と言った。


それを聞いた絡新婦は一度、息子の方を


見ると傷ついた身体を引きずりながら

山へと帰って行った。


そして次の日、

父親は自分が幼い頃に聞いたある話を

息子に話して聞かせた。

昔、美しい女がおり

その女には嫁入りを約束した男がいたが

嫁入りの前日になって女は男の心変わりが

理由で捨てられてしまった。


女は深い山に入り男への恨みと悲しみから

巨大な絡新婦になってしまったという。


それ以来、その絡新婦は婚礼前の男がいると

取り殺してしまうという話だった。

そして庄屋の息子を


殺そうとした絡新婦は命を救ってくれた

息子を殺そうとした我が身の浅ましさを

恥じたのか二度と里に姿を

現すことはなかった。


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