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「きっと」の魔力

「きっと」という言葉に
私は心底心酔しているし

凄くミステリアスで
容易に使ってはいけないような
気持ちになる。

「多分」や「そのうち」
という言葉も同じようなニュアンスを
持っているけど
そことは遥かに
全然違う何かがある。

たとえば恋人に
きっと君とはずっと一緒にいると思う。
と言われるのと
多分君とはずっと一緒にいると思う。

と言われるのであれば
前者の方がその不確定要素が
遥かに削がれている気がするからだ。

そうして、「きっと」
と言われた約束がご破算になった時。

その言葉の魔力がここぞとばかりに
効力をはっきしてくる。

切なさを孕んだ
もしかしたらどかで
また「きっと」出会えるかもしれないという
チクリと刺さる何かが残るからだ。

こんな言葉が数しれずあるから
私は日本語を愛してやまないし
不確かで曖昧な表現があるからこそ
生きているうちにその言葉を
人生が進むにつれて多くなる
綺麗な鱗の様に身にまとっていたいと思う。

月が綺麗ですね。
と言うような
思考回路はあなたの物です。
と言わんばかりの表現は
ハリーポッターなどとは比べ物にならない
魔力を秘めていると
私は期待している。

どこまでいっても
不確かな人間という生物の性質を
詰め込んだ
「きっと」という言葉は

不可能なことを
可能にしたい魔力が詰まっていて

その魔力になんとなく
人間は取り込まれてしまう。

そしてその魔力に取り憑かれた
不確かな人間であり続けたいと
切に願っている。

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