まともな方ならおわかりになると思いますが、人を見下しても自分が優位に立てるわけではありませんし、他人にはすぐわかるので結局その人の品位が落ちることになるのですよね。

心理学を勉強する前に、職場で隣のブースだったオジサマが
「息子から勧められてさ、一瞬『なんだ、俺が上から目線だってのか？』ってムッとしたけど、面白かったから読んでみて」
と貸してくれたのが『「上から目線」の構造』。非常に面白かったです。

原因は劣等コンプレックスだったり、「偽」のプライドだったり、勝ち負けで物事を判断していたり。自分の判断基準がそうだから見下されることに敏感で、自分が上に立つために見下した言動をしてしまうらしいです。
メンドクサイですね！

この後、大学3年に編入して産業カウンセラーの受験資格を得るために心理学を学んだのですが、シラバスを眺めていたら！
「あれ、”榎本博明”ってあるけど、あの『「上から目線」の構造』の……？」
ビンゴでした。

スクーリングは何単位か取らなくてはいけない仕組みでしたが、科目まで指定されているわけではなかったので、榎本先生のスクーリングを取るべくスケジュールを立てたのでした。

性格心理学と……何だったか、もう1科目ぐらい履修しました。いやぁ、面白い講義＆演習でした。

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この本で、自己愛性パーソナリティ障害の話も出てきました。周りにこんな人はいませんか？

(1) 実際以上に自分の才能や業績が優れていると思い込む
(2) 限りない成功や美しさの空想にとらわれる
(3) 自分は特別な存在で凡人には理解されないと思っている
(4) 限りなく賞賛を求める
(5) 特権意識があり、何かにつけて特別な取り計らいを期待する
(6) 人を平気で利用する
(7) 人の欲求や気持ちがわからない、あるいは気にしない
(8) 嫉妬深い
(9) 尊大で傲慢

ブラック企業にいた時の上司がまさにこれでした。(6)の「人を利用する」には少しおツムが足りなかったぐらいです。

『自分は特別といった意識ゆえに、根拠のない優越感を持っており…』
本当に根拠のない優越感で、仕事できないくせに何言ってんだか……と陰で笑われていました。

『裏づけのある優越感ではないため、じつは自信のなさをひそかに抱えており…』
これも時おり見え隠れしていました。陰で笑われていたのも気づいていたかもしれません。

『人からの評価に敏感で、持ち上げてもらえないと脆い自尊心が傷つき、攻撃的な反応を示したりする』
私が海外出張に招聘されたら、事業側に自分も行くと主張しました。事業側も困って、私が4日、上司が3日のスケジュールを組んだらそれも気に入らなかったらしく、ひっくり返しました。でも結局、現地の実務的な打合せは全部事業側と私でしたので、上司が行った意味は何だったのか……経費の無駄でしたネ！

『持ち上げてくれない相手には嫌悪や敵意を示し、周囲から高く評価されている人物には強い嫉妬を示す』
男尊女卑も強い人でしたので、女であり部下である私が正論を言うとそれだけで気に入らなかったようです。その事業を人事側で立ち上げたのは私だったので（上司は後から入社）事業側の人が立上げの頃を語って、私に感謝の意を示すなんて耐えられなかったのでしょう。

カスタマーハラスメントをする人も、こんなタイプではないかなと最近思いました。実際どんな凄い経歴で凄い技をお持ちかわかりませんが、偏った価値観や古い価値観で判断して、気に入らないと謝れと強要するような人。
自分が正しいと鼻高々でSNSに「…って言ってやった！」とアップしようものなら、炎上するでしょうけれど。

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子どもの頃、隣の同学年の子と比べられて嫌だったと姉に話すと、姉は姉で別の子と比べられて嫌だったと言いました。お母さん方のマウンティング合戦は、マウンティングという言葉が一般的ではなかっただけで確かに存在していました。

隣の一家はそのうち数駅下ったところに家を買って引越していきましたが、駅からバスで20分はかかったと記憶しており、一度遊びに行ったきりです。

母との年賀状のやり取りは続いていたようで
「主人がナントカとか、三女が留学したとか、そんな話ばっかりよ」
とうんざりしていました。
「自分の話がないから、夫や娘の自慢するんじゃないの？」
「！」
年賀状はもうやめたと、数年前に聞きました。

別に自慢でなくても良いので「ではあなたは？」と聞かれた時に、好きな事とか取り組んでいる事とか、言えたら良いですね。

どうしても他人と比べてしまう人は、こんな本も良いと思いますよ。

この本で紹介されている「くらべない」本もかなり読みました。自分はもともと「くらべない」ヒトだったみたいですが、劣等感等抱いた時には”補償”で対処するかなと思います。長くなってきたので、その話はまた今度。

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