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宝石の大半は鉱物ですが、鉱物の定義は次の通りです。

天然に産出した無機物質で、一定の化学成分と物理的性質を持つ。
通常は、原子が規則正しく配列した結晶を指す。

オパールは特別扱いです。なぜなら、ガラス質で結晶構造ではないし、堆積したものだからです。

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白、グレーや黒っぽい地色の中に、赤・青・緑などの色が見えるのを遊色play of colorと言います。上の写真はホワイトオパールです。

この色がなぜ見えるかというと、説明が大変難しいのですが、一応書いておくと、『オパールは立体的回折格子構造で、色は個々のケイ酸球のサイズや、均質の程度及び詰まり具合の程度で左右される』のだそうです。

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オレンジ色っぽいファイアオパールは、遊色があってもなくてもファイアオパールといいます。これはわざと、遊色のないものを買いました。

模擬試験でヤラレた~

鑑別の模擬試験は、本番さながらに20石を4時間続けて鑑別します。
本番の試験では今までの実習には出てこなかったような石も出てくるので、模擬試験も変わり者が登場するのが常。

私が唯一間違えたのがジェリーオパールで、比重があまりにも低く出てきたので、違うと思いつつもプラスチックと鑑別して×でした。

よくよくチャート表を見ると、比重は『2.15(+.08、-.90)』。
つまり、1.25~2.23の範囲で出てきてもおかしくないので、その時の1.4位も範囲のうちでした。

けれど、模試で良かったのです。このおかげで、迷った時も色々なデータを検証してしっかり考えることを学習して、本番の試験は一発合格でした!

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ジェリーオパール(右側)なんとなく美味しそうなんですけどね。

貼り合わせは詐欺ではありません(でも開示は大事)

オパールは前述の通りに結晶構造を持たずに薄くて脆いので、母岩やブラックカルセドニーの上にオパール薄片を貼ったダブレット、更に上に無色のクォーツを貼ったトリプレットが存在します。上の写真の左側の石を横から見ると……。

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下がブラックカルセドニー、薄いオパールの層の上に無色のクォーツ、という三層構造になっています。

これは人を欺く為ではなく、耐久性の強化です。が、きちんと開示して欲しいですね。

オーストラリアのオパール屋さんでスカウト!?

ブラックオパールで有名なライトニングリッジはシドニーの方が近いのですがシドニーでは時間がなく、2週間の旅程で帰る間際に訪れた北部のキュランダでようやくオパール屋さんに行けました。

「母へのお土産を探しているのですが、遊色はやはり赤が良いのですか?」
と聞くと、そういう人もいるけど自分の好きな色でいいんだよ!と言われました。これはG.G.になった今でもそう思います。私はグリーン系の遊色が好きなのでグリーンがよく見える石にしました。

なぜ自分の好きな色にしたかというと、母にあげたものはそのうち私に還ってくるからです!!だから結構高くても良いのです!!

「お母さんにお土産とは、なんて良い娘なんだ!」
と褒めてくれ、おまけにカンガルーのピンを頂きました。可愛い!

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この時4月で、7月からGraduate Gemologistのクラスへ通うと話すと
「Wow!じゃあ取れたらウチで働かない?」
確かに、街に置いてある観光客向け冊子にも《日本人います》とアピールしている観光客向け宝石店の広告がありました。《日本人の宝石鑑定士が常駐》で日本人観光客をガッチリ掴んで、且つそこそこ英語ができれば普通の接客もできるかも……。

まあ、その後もずっと日本にいますけど。

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