クッソ下らないことも面白くなる
私は笑いの沸点が低い。
下らないYoutubeチャンネルでも声を上げて笑ってしまう。
現実から逃避したくて実生活とは無縁の、外来種駆除や虫や女遊びや歴史探求のチャンネルを好んで見る。
面白いと思った人を追いかけていくと、結局同じ感想に行き着く。
下らないと思っていても、大学教授より深い知識を持っていたり、環境破壊を憂慮していたり、深い愛を持っていたりする。
そして語彙力が高い。
自分の周辺の人に「これ面白いよー」と勧めても「だから?」「ふーん」と返されることが多い。
最低限の知識や教養がないと、笑いの沸点が異常に高くなる。
そういう人が笑うのは、
金盥が落ちてきたり、水浸しになったり、熱湯風呂に入ったりする事だ。
ドリフやタケシ軍団やとんねるずみたいな「誰かが窮地に陥ったとき」に笑う。
私はそういう笑いが嫌いだ。面白くない。
子どもと一緒に実家で新聞を読んでいた時、4コマ漫画で爆笑したことがある。
風刺とウイットに富んでいた。
子どもに「これ見て!面白いよ」と言い、笑いあっていたら、
母が「なになに?私も見たい」と言ってきた。
母「……何が面白いの?全然面白くない」
その時「私が面白いと思う事は、定型発達の人には通じないんだ…」と悟った。
私と子ども(多分私と同じ定型発達外)は同じ所で笑えるが、世間一般とは違うのだ。
確かに他の近親者と話していても「あんたと話してると頭が痛くなっちゃう!」と言われたことがある。
その人は私の子ども(当時小学校中学年)の何気ない話を聞いて、
「そんなこと言ってるとモテないよ!」と脅してきた。
相手は子どもだ。モテるとかモテないとか意識していない。
そして私はあなたの恋愛遍歴を知っているが、いつも最後に振られていた。
どんなに美しくても、中身のない人は捨てられる。当たり前だ。
私の方がモテていたと思う。
怖いから言えなかったが、少なくても振られる事はなかった。
私は面白い女だったからだと思う。
たくさんの本を読み映画を観て一通りの知識を持っていたし、いつも相手の気分をほぐすジョークを言っていたから、飽きられなかったのではないか?と思う。
私はコンプレックスの塊だった。
だから精神医学やカウンセリング学も読み漁っていた。
自分を知ると、スタート地点に立てる。
「誰々のせいでー」と言いたくなる他責思考を排除できる。
それでも悩み深かった私は、自分が知的に、あるいは発達に障がいがあるのかもと思い心理検査を受けた。
結果は予想を大幅に裏切った。
私の言語理解能力は、定型発達ではなかったのだ。
「花さんの言っている事は、大体の人には理解できません。
でも同じような人はいるはずなので、そういう人を探して仲良くなって下さい。諦めないで」と希望なのか絶望なのか分からないことを言われた。
私はそこで一区切りがついた。
私がおかしいのではなく、相手がおかしいのではなく、ただ合わないだけなのだと。
「何でここまで言っているのに分かってくれないの?」
「毎回同じ事言ってるのに、メモも取らないし悪びれる素振りもないのはおかしくない?」
とイライラする気持ちを抑えられるようになった。
お互い異星人のようなものなのだ。
それから私は周囲の人をみるときに、語彙力を重視するようになった。
一見普通にコミニュケーションが取れていても、語彙力には雲泥の差がある。
「我慢」「許可」レベルの単語は分かるが、簡単な四字熟語「一石二鳥」「一蓮托生」レベルになると理解できない。
「俯瞰的に見る」と私には日常的に使う言葉を使うと、全く理解できない。
そういう人に限って見下してくる。
私が直接指摘しても、絶対改善されない。意地になる。
それなら他の事業者から直接対応してもらおう。
そう決めてから多少楽になった。
Youtubeで面白いと思う人は、下らない内容でも何気なく語彙力が高い。
そのセンスで動画を作っているから、面白いと感じるのだ。
一昔前は勢いやノリで視聴数を稼ぐ人が多かった。
ミュージシャンや芸術家でもそうだが、最後に残っていくのは知能が高い人、語彙力が高い人だ。
心底バカな人に固定ファンはつかない。
何気なく会話をしていても、思いがけず語彙力が発揮されると爆笑してしまう。
私にとって、ユーモアのセンスが高い人も面白い。
ユーモアは知能が高い人しか使えない。
信頼できる。
それが裏切られたことはない。
私が忌避するのは、実績がないのにやたら自己評価が高い人、
SNSで加工した自撮りをupする人(本人はそれが自分だと思い込んでいる。腕よりウエストが細かったり、いい年なのにシワが一切なかったりする)、いつも誰かをあてこすって非難している)、だ。
私は自撮りをしないので、誰かに撮ってもらった写真しか持っていない。
下らない動画に見えても、知能や思いやりが垣間みれるから面白いのだ。
どんなジャンルでも、バカは応援されない。成功しない。
そんな残酷な事実を受け止めたい。
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