2023秋の共産党③~手紙を出す相手は支部でよかったのか~

11月13日・14日。党大会まで2か月前となるこの日、中央委員会総会で大会決議案が提案されると思われる。その前日の11月12日、この間の共産党が手紙と称する文書のやり取りを行っていることについて考えてみたい。

中央として支部に手紙を出し、その返事を求める。その返事を出す過程で、地区や都道府県の機関が指導・援助し、党勢を拡大させようとする狙いがあったと思われる。

そもそも、共産党は支部ー地区ー都道府県ー党大会という組織系統で成り立っており、中央委員会は次の党大会までの指導機関である。それが中央委員会という恒常的な組織として多くの資産をもつ巨大組織になっている。

その中央委員会が直接、末端の支部とやり取りをするのである。そのこと自体におかしいなという思いがまずある。中間的な機関(都道府県や地区)が支部と連携が取れないという判断があってのことなのだろうか。だとしたらその件を改善する努力をするのがまず先ではないだろうか。

この手紙には、中央が示す「130%の党づくり」に対する支部の率直な意見と同時にどう達成するのかということも書いていくそうである。

これって、人事評価シートと似てません?

自分たちの目標を決められる「自己決定」があるけど、その目標の枠は中央委員会(上位機関)によって決められるているので、それに合わせるわけです。そして、その目標達成をめざす。

今の共産党は、手紙の返事=評価シートを作成すらしない支部と、手紙の返事を出して動き出した支部が顕在している中で、中央が掲げている目標の到達に至っていないから、第2の手紙(怖い…)への返事を書くようにと迫っている。

下部組織のみに提出させ、中央委員自身の評価シートはなくていいのか?このことが問われてくると思います。しかし、人事評価シートではなく、あくまで支部への手紙。達成する義務を負っているのは支部だけ。中央委員である日常的な方針を決める党幹部や各都道府県委員長が、どのような目標をもって取り組むのか中央委員会内で成果と課題の議論を繰り返し、方針等を「修正」しながら、下部組織が動きやすい「環境を整える」ことが大事ではないだろうか。

中央委員会は次の党大会までの指導機関である。大局的な目標、短期的な目標を示すことは大切だと思う。しかし、支部の動きが悪い、成果が上がらないという嘆きだけで運営するならだれでもできる。現代社会において、議会の多数を得て革命をめざす組織の指導機関として、「どういう環境が整えば、支部が動きやすいのか。」ということについて、どう考えているのだろうか。果たして今、共産党は拡大ばかりを各支部に求めているだけでいいのだろうか。本当に今、赤旗部数や共産党員が増える素地ががあるのだろうか。たとえ、日本共産党が問題噴出の日本社会に対する「真の改革者」「真の答えをもっている党」だとしても、そう思う国民が増えない中で、拡大できるのだろうか。そういう意味においては、躍進・拡大の可能性はあってもその素地は表面化していない。そういった中で、一歩踏み出せと言い、一歩踏み出していきたいと言わせるだけでは内々での活動になり、面的な広がりにならないだろう。

拡大の前に、国民から応援される共産党にならねばならぬのではないだろう。そのためには、党外の意見を聴けることが大切ではないだろうか。

中央委員会が手紙を出す相手は、支部ではなく、一般国民ではないだろうか。そこには共産党員も入っていいと思う。

中央委員会が直接、支部を思いどおりにする手紙運動のように私には見える。ここの共産党の怖さを感じてしまうのだ。もちろん、そんな共産党が好きだという人もいるだろう。それならば、共産党のための政治をやっていればよい。政権交代とか、国民のためなんで言わないでほしいのである。

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