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【Lisbon6/リスボン6】ツアーで出会ったおばちゃんのこと。

その前にちょっと話は戻って、こちら↓長距離電車が停まるロシオ/Rossio駅。Sintraへ電車で行くときはここからどうぞ(後日まさに自分がここを利用することになるのだが)。

これが二階建てのRossio駅。電車は二階から発着する。

そして多くのバスツアーの集合場所は、この駅近くにあるレスタウラドーレス/Restauradores駅のすぐそばにあるツーリストインフォ前。多くのツアー会社が同じ場所から出発するので、予約確認書は携帯必須w

↓はRestauradores駅前にある像、カルセテイロの記念碑/Monumento ao Calceteiro。ポルトガルは石やレンガで舗装された広場や歩道がたくさんあり、その中でも有名な人物を表したものだそう。石を削ってはめ込む人と、木槌で石を叩く助手の二人。なるほどこうやって二人で舗装していくのか。

ここで使われている石は1万個を超えるらしい。
ちなみに元々は別の場所に作られたのが、数年前にこちらに移動されたとのこと。
あ、誰だここに石置いたの😅

モザイク好きなら、ポルトガルで有名な、建物のタイル「アズレージョ」だけでなく、あちこち地面を撮影するのも醍醐味、という人もいるようだ。高いところにいかないとなかなか綺麗に撮れないんだけど、そこは坂の多い町。いろいろ撮影スポットなどがあるのかも。


さて、海の町から戻ってツアーが終わったのは、明るい夕方。

そして朝の集合場所とは別の場所で解散した我ら。…ここ、どこ?

リスボン中心部はまだまだ初心者の私。頭の地図も全くおぼつかないどころか、多すぎる坂のせいで高低差がわからず、余計にちんぷんかんぷん状態。さてこれからどうしようかと、調子の悪いケータイ片手に考え始めた。

と、そのとき。
ツアー時にたまにお話していた、アメリカ在住のフィリピン人のおばちゃん(「おばさま」というべきところは百も承知、でも雰囲気がどうしても「おばちゃん」なのでそう書かせていただくことにする ←ポジティブな意味での「気さくなおばちゃん」ですw)が、もし時間あったら一緒にケーブルカー乗りに行かん?と声を掛けてくれた。

1週間強の一人旅のおばちゃん、アメリカからスペインのバルセロナへ大西洋を飛び、そしてポルトガルのリスボンへ移動、翌朝アメリカに戻るので、今夜が旅の最後。荷物パッキング全然できてないけれど、やりのこした「ケーブルカーに乗る」をしたいんだという。もちろん一人でも行くんだろうけれど、折角声かけてもらったことだし、とくに決まった予定もない。よし!お誘いに乗ってみよう。

ツアー中、リスボンでしてきたショートクルーズや、ファドという民族楽器演奏付きのバーで、たまたま同席になった人たちとの大盛り上がりの写真などなど、わずか数日間滞在で行うべき(?)「リスボンならこれでしょ!」な写真をたくさん見せてくれた。自身が写っているのも多い。通りすがりのいろんな人に撮ってもらってきたんだろう。
確かに、誰にでも気軽に話しかけるフレンドリーなおばちゃんなのだ。ツアー中もたまたま近くにいた人たちに声をかけていた気がする。とはいえ四六時中誰かに話しかけるでもなく、決してうるさくもしつこくもなく、いい距離感を保っている。慣れたもんだの一人旅を謳歌している感じ。英語ほぼネイティブというのもあるかもしれないけれど、こういうのほんの少し取り入れられたら、この先の旅で面白い経験など増えたりするのかなぁ、なんて思ったりする。

そんなおばちゃんとしばらく行動を共にすることにした私。彼女の滞在最終日ということで、基本おばちゃん任せであるw

普通に住居が上にある建物、しかしここが乗り場なのだ。
なんなら3階の右の窓からおじさんが出ているw

ここ、ビカのケーブルカー/Ascensor da Bica 乗り場へ来る時、二人とも行き方がわからず、面倒だとおばちゃんは検索を途中でやめ、たまたま近くでお客さんが降りたタクシーのところへすすーっと寄って行き、「乗せて?」と運転手に交渉(ちなみにそこはタクシー乗り場ではない)。一瞬、おっ?という表情になった若い運ちゃんだったが、まぁいいよと乗せてくれた。
走り出したら運ちゃんに話しかけるおばちゃん。英語ができると知り、リスボンのことや運ちゃん自身のことを尋ねるおばちゃん。運ちゃんも気軽に話に乗ってくれた。

考えてみれば、観光客って自分の旅のことを常に考えてるし、そもそもそういうもんだ。そんなときに運ちゃんのことを気遣ってくれるとか(いや半ば強引に(?)乗せてもらったけど)、興味持ってくれてるとか、それほど多くはないんじゃないか。

決して美人タイプというわけではないんだけど(寧ろ黙ってると不機嫌そう)、笑顔がとってもチャーミングで親近感。ツアー中も、途中で寄った薬局でカウンターのお姉さんと話がはずみ、あなたの笑顔とってもいいわね!と、イースターで子どもにあげる用のあめちゃんを片手いっぱいもらっていた🐰🍬
なるほど本来ならイースターという祝日に観光客相手に仕事している人々にとっては、大変な思いや出来事、事情もそれぞれあるだろう。それを表立って労うわけではないけれど、気さくに楽しくお話しただけでもそのちょっとばかりほっこりした時間で、案外報われるということもあるのかもしれない。

奥に、急な上り坂が見える。なるほど、ケーブルカー移動が正しそうだこりゃ。

長々おばちゃんのこと書いておりますが。ここから乗ります。なかなか急勾配ですやん…30分ぐらい待つことになって、やって来たのはなんかものすごい塗りたくられた電車。

一番後ろに乗ったので、海が(いや、川が)見える。この道沿いに歩いて上り下りもできます、もちろん。…この距離全部はオススメしませんが。

後ろ向きに撮っているので、逆向きですよー

ここですれ違った下り電車が、リスボンで有名な黄色い路面電車!本当はこれに乗りたかったそうだけど、撮れたので「まぁヨシ」としたおばちゃん。ここを走る電車は8割方塗りたくられた電車↓じゃないのかな…

それでも水辺が見えるとそれだけで美しいと思えてしまうこの不思議。

ちなみにおばちゃんはバスツアーで、ガイドへのサービス料はツアー代金に含まれていたのだけれど、解散時に若くて元気なガイドくんにさりげなく紙幣のチップを握らせていた。(←たまたま見てしまった)
ここへ連れてきてくれたタクシーの運ちゃんにも、多めにお礼をした。


さて。
乗ることそのものが目的だったので、上った先がどこなのかはノーチェック。ここからどうしよ?
高台からいい景色でも見に行く?あなた(私)がまだ行ってないならそこにもう一度行きたいから、どう?とのこと。二つ返事でとりあえずタクシーを探す二人。目指すはテージョ川を見渡せるパノラマビューを楽しめる場所の一つ、ミラドロ/Miradouro de Santa Luzia 。
(ちなみに高台からの絶景を見れる有名な場所は他にもあるんだけど、ここがいいの!というおばちゃん。きっと自分で調べただけならわからなかっただろうな、ありがとう😊)

今度もお客さんがたまたま降りるところに遭遇する。「乗せて?」と声をかけるおばちゃん。しかし今回は、個人ツアー客専用のタクだった。若い運ちゃんは、一般客の通常利用はできない、しかも今日は早朝からの仕事でやっと終わり、家に帰るんだ、という。静かに「そこを何とか。」と粘るおばちゃん。ただし強気で無理くり迫るのではなく、にこやかになんとなく少しずつ巨類を縮め懐近くに入ってくる感じのこの交渉術(?)。…私ならとっくに諦めてるさ…

と、そこへ後続車が来てしまい(停車禁止の場所だった)、困る若い運ちゃん。「ごめん」と振り切って発車することももちろんできた。というか、ダメなもんはダメなんだし、強気に断っていいのだよ。しかも長時間労働、終業時間。ドイツ人ならほぼ100%断ってさっさと発車させるだろう。
しかし運ちゃんは「…どこ行きたいの?」と聞いてくれ、あぁその場所はこれから帰宅するのに通るから、寄ってあげるよ、と乗せてくれたのだ(!)

…帰宅の通り道って、果たして本当なんだかどうだかもうわからん。本当は全然違う方向なのに乗せてくれちゃったんじゃないか…なんて心配しながらも有り難く一緒に乗る私w
さてここでも、どこ出身なのかと運ちゃんに聞き、会話を始めるおばちゃん。
「ごめん」とか「申し訳ない」より、自然に「ありがとう」が先にあるんだろう。もしここで断られていても、「何だアイツ」と相手をけなしたりは決してしないんだろうな。きっと「あー残念!!」なんだ。ステキです、そういうの👍

さて、そのタクが連れていってくれたのがここ。ぐるんと180度ぐらい見渡せます。テーブルも椅子も軽食屋さんもあるので、日没をのんびり待つこともできる。

通称ミラドロ/Miradouro de Santa Luzia
そう、これがリスボンといえばこの黄色い電車!
さっき見たケーブルカーだけでなく、たくさんの黄色いトラム(路面電車)が市内を走っている。
あ、幸せのガロ(雄鶏)も忘れずポイントw

ここでしばらく過ごした後、おばちゃんは、一度ホテルに戻ってひと休みしてから、最後の夜を楽しみに繰り出すことにするわ、とのことでこれにて解散。(パッキングはいいのか😅)

おばちゃんのおかげで、自分では行かなかったただろう場所や知らなかったことを経験できたし、なにより他の方の楽しい一人旅の模様を知ることもできた。
共に行動して純粋に楽しめたし、目からウロコな静かで大胆なおばちゃんの行動もいろいろ参考で勉強にもなったw 
とっても貴重な体験になった「ツアー、その後」の時間でありました。

(続く)




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