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試行錯誤しながら、これからも柔軟に

押しつけ感のない、
程よい「思いやり」や「おもてなし」って
どんな感じなんだろう。

この思いは、ずいぶん昔からあって
プライベートの場面でも
仕事の場面でも
ふと考えることなのです。

学生の頃の親友は
とても気さくな人柄で、
友達や先生と接するのも
とても自然体。

やることはいつも弾けていましたが、
根っこにはいつも思いやりを持っている子。

思い立ったことを行動に移し、
それには押しつけ感が全くなく、
喜ばれたり、助けられたりする。

彼女を側で見ていると
「私もこんな風に人と関われたら良いな」
と感じるほどでした。

そんな彼女と一緒にいるだけで
居心地が良く、楽して
なおかつ、安心でき、素直になれるのです。

医療現場で働いていたとき、
先輩からこんな言葉聞きました。

「うちみたいな総合病院は
 待つのは当たり前。
 待てずに文句を言うなら、
 近所のクリニックに行ってもらえば良い。
 それは患者さんにも理解してもらわなきゃ。」

これには納得する部分と、
疑問に思う部分がありました。
身体の不調を訴え、不安を抱きながら
精密検査をしてもらいたくて、
総合病院に来ている患者さん。
待ち時間が長いことは、
患者さんも心のどこかで分かっている。

でも、医療者側がはじめから
先輩が言ったような気持ちで
患者さんと接したら、
患者さんはどんな気持ちになるだろう。

しかし、総合病院での仕事は
次から次へと業務に追われ、
的確にこなしていくことも必要になります。

私は、患者さんと、先輩の板挟みになるような
気持ちになりました。

しかし、私はその頃からある思いが
浮かぶようになりました。

「喜んで病院に来る人はいない。
 身体の具合が悪いからこそ
 大きな病院に来ていらっしゃるのだろうから、
 『待ち時間は長かったけれど
  この病院に来て良かった』
 と安心して帰ってもらえるよう
 患者さんと接していこう。」

その後も、
患者さんの対応に「そこまでする必要はない」と
先輩から指摘を受けることがあったり、
高齢者の方に手を差し伸べて、
「いらん!」と手を払いのけられることも
あったりして、
どこまで思いやりの心を持って
患者さんと接していったら良いんだろうと、
悩むこともありました。

病院での自分の患者様への対応が
合っているのか
間違っているのか
試行錯誤の日々。
しかし、退職を迎える年の暮れには
病院から『接遇奨励賞』をいただきました。
様々な経験をしながらも
患者様に「この病院に来て良かった」と
感じていただけることが
私の仕事へのやりがいにもなっていたことに
気付きました。

しばらく専業主婦の時期を経て、
今年の7月から医療職ではなく、
初めて携わる仕事に行くようになりました。
同時期に入職したTさんと
お休みの日にお茶をしながら
お話をしていたときのことでした。

「ちふみさんってホスピタリティの人だよね。」

これまでに2日だけ
一緒に仕事をしたことはありましたが、
Tさんとは交代勤務なので、
一緒になる機会はほぼありません。

それなのにTさんからのその言葉に
驚きました。

今の勤め先は、
お客様が一生に一度、
大切なものを作るために来る場所でもあります。

聞き慣れない方も多いので
お客様が初めて訪問される時には
とても緊張されているかもしれません。

実は私自身も
そういう場所があることすら
知らなかったくらいです。
仕事内容も全く初めてのことばかり。
まだまだ緊張の日々です。

しかし、職場の上司の言葉が
私の今仕事をしていくうえでの
やりがいに繋がるものでした。

それは、
「お客様にここに来て良かったと
 感じていただけるような
 場所にしていきたい。」
ということ。

漢字が8文字並ぶような言葉に頭をひねらせ、
わからないことも膨大にあり、
仕事中に嫌な汗をかくこともありますが、
それでも今の仕事を頑張ってやっていきたいな
と思えるのは、
思いやりやおもてなしによって
お客様、そして自分自身の喜びに繋がるから。
それが私の仕事へのやりがいなのです。

お客様も千差万別。
お客様によって
喜ばれることは違うでしょう。
一辺倒な対応ではなく
試行錯誤しながら
私自身も柔軟に、
思いやりやおもてなしの心を持って
これからもやっていきたいと思います。



ヘッダーは春田みつきさんのイラストをお借りしました。
ありがとうございます。
優しく柔らかな雰囲気が、私の思いやりやおもてなしの
イメージにピッタリです☆彡

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