花残月

声楽家です。合唱が好きでヨーロッパのオペラ劇場で合唱団員として働いています。音楽の楽し…

花残月

声楽家です。合唱が好きでヨーロッパのオペラ劇場で合唱団員として働いています。音楽の楽しさ、愉快な劇場でのお仕事、そしてかけがえのない声について発信していきます。

最近の記事

歌劇場、今日も時間に追われています!!

音楽は時間芸術です 音楽だけではなく 日々の生活も 常に時間との関わりから逃れられません ありとあらゆる速度と長さを割り振って 1日が過ぎて行きます。 30分、10分、5分、20分、 これは仕事で使われる大事な時間 自分の出番の幕が始まる30分前に劇場入り! 自分の出の10分前に入るスタンバイのアナウンス そして出番5分前の舞台袖に入る為のアナウンス これは絶対厳守の時間です これを逃すともう大変!! 舞台に穴を開けてしまいます😱 通勤電車も この国は何故かよく

    • 歌劇場の舞台で歌う事も危険がいっぱい!!

      オペラ作品、 皆さんがご存知な有名どころって何があるでしょうか?? 魔笛、フィガロの結婚、椿姫、カルメン、蝶々夫人、トスカ、トウーランドット、、、 ちょっと考えただけでもこのくらいは秒速で出てきました 素晴らしい作品がたくさんあって、オペラは目にも耳にもエキサイティングです!! ところで、今日は 歌劇場合唱団が歌うことの難しさについて書いていきたいと思います 合唱団と聞くと思い浮かぶのは 合唱サークルなどのコンクールやコンサートの舞台上でドレスアップしてパート毎に並

      • 歌劇場の舞台は危険が一杯⚠️

        オペラ公演、 華麗な舞台、お姫様のような衣装!! なんとも夢のような場所! と、想像されるでしょうか? そうだったら公演は大成功!! しかし、私達にとって舞台空間は危険な仕事場です 舞台上にはまず背景の大道具。 見上げるほど大きな木製や布地、プラスチック素材などで作られた素晴らしい美術背景などが、 幕間、上演中に関わらず動き回っています。 これを移動させるのは大変な力が必要だなあ?! と、いつも考えさせられます。 舞台の床は中心に 2つの回転舞台やセリ(役者や道具など

        • 歌劇場の舞台で出会うもの!!

          歌劇場の舞台に登場するものには 何があるでしょう 歌劇とは総合芸術です と、音楽の授業で習いました ちょっと考えてみます。 オーケストラ、バレエダンサー、歌手! ごもっとも 俳優! もちろん!!漫才師の方が出ることもあるんです! 気を抜くと 歌いながら プッツ!!! と吹き出すことも 有名な役者さんが来てくださることもあって こんな時は素直に一緒に写真を撮らせてもらっちゃい ます...もちろん公演修了してからね 動物! 犬が多いかな。お利口さんで驚きます!! ただフリー

        歌劇場、今日も時間に追われています!!

          劇場合唱団員ときどきソリスト?!

          劇場合唱団員として 日々舞台に練習に励んでいる私達 花形では無いと思われる方もいると思います 劇場には契約を持っているソリストさん達がおられますが、 作品の中には小さなソロ役がある事が多く、 ディレクションから この役は合唱団員からお願いします〜! という希望が特別に来ることもよくあるのです そんな通達が来ると キターーーー!!! と、私たちの中に眠っているソリスト魂がムラムラと目を覚ますのです!! それは私に! いや、ぜひ私に!!と、 オファーに希望者が群がります

          劇場合唱団員ときどきソリスト?!

          歌劇場合唱団員はマラソンランナーだった?!

          ここ、歌劇場では劇場が夏休みに入る7、8月意外は 10ヶ月毎日公演が行われています。 取っ替え引っ替え上演されるレパートリーはおよそ60作品あり そのほかにシーズン毎に新しい作品が十数曲織り込まれていきます。 ほぼ毎日夜舞台があり、午前中はリハーサルがあります。 曲の大きさもさまざま、 合唱曲が数曲しかない作品から このオペラは合唱曲でだけ作られているのか?! と思わせるような大曲もあります。 しかも超ドラマチックな重いもの、から超軽いノリノリのミュージカルまで

          歌劇場合唱団員はマラソンランナーだった?!

          待つ、という仕事

          オペラ公演やミュージカルなど音楽劇の舞台が好きで良く観劇に行く方や、音楽家の方ならきっとすぐにピンと来るお話です 音楽劇の公演は大抵2〜4時間程の長さがあります。 が、たった1人の歌手が 歌い演じ続ける作品はほぼ有りません。 何人ものソリスト、そして合唱団、エキストラの役者が出演しますが、 私達は舞台に上がったり下がったりします。 例えば、有名なモーツアルトのオペラ 「魔笛」では 女声合唱の出番は3回 男性合唱の出番は6回 魔笛は3時間程の長さがあるので 言ってしまえば

          待つ、という仕事

          26カ国からの仲間たち!みんな外人?!

          歌劇場ではとても多くの人が働いていますが 音楽家のメンバーは国際色がとても豊かです。 私のいる合唱団員は何と 26ヶ国から集まって来ています 多くの事なった文化や言語を持つ仲間たちがひとつになって合唱でハーモニーを生み出すという事は 私にとっては本当に素晴らしい音楽芸術の醍醐味を味わえる幸せな時間です。 勿論外国人としてこの地で生活する事に 苦労はありますが、 仲間たちの多くが故郷を遠く離れ、 1人で異国の地で生きている、 という同じ状況を共有している事もあり、

          26カ国からの仲間たち!みんな外人?!

          夜のパフォーマンスでエネルギーを最高にする為に

          歌劇場が職場の私は 夜の本番にエネルギーが最高潮に達するように 1日のリズムも 調整します 家族がいる場合は中々不便なことが起こります。 皆が違うリズムで生活しているので、 自分のことだけに集中するのはかなり無理があります。 子供達の登校時間、 私達には早すぎる起床時間です が、 お弁当を作る為に起きなくてはなりません... 子供達を学校に送り出したら 私の場合は もう一眠りします... 往年の大声楽家 あの フィッシャー ディースカウ氏も 家のポストに  9時までベ

          夜のパフォーマンスでエネルギーを最高にする為に

          合唱かソリストか?!

          正直言ってソロは勝者 合唱は敗者 なんて考えている人います? 声楽科の学生だった頃 日々、声のトレーニングを行い、音大でレッスンを受け、理論や歴史を学び、 鍛え上げた素晴らしい声と音楽を舞台で披露する事を目標に漠然と過ごしていました。 大学内には室内合唱や大合唱のサークルや授業もありましたが、 その時間こそ私の至福の時間でした! 練習がある日は朝からウキウキしている私に グループで歌うなんて想像もできない 人と一緒に歌うなんてつまらない。 僕の声が皆に聴こえないな

          合唱かソリストか?!

          歌劇場合唱団歌手の1日

          歌劇場最上階 歌劇場合唱団の リハーサル室はかなりの割合でここにあります。 何故こんなに大きなホールが最上階にあるのかなんて今まで考えた事も無かったけれど、 団員全員でフォルティッシモ出したら想像を絶するくらいうるさいので、 地上階にある舞台から一番遠いところに 設置されているのかも? まあ当たり前だよな、という答えに行きつきました。 真意は分かりませんが... 私の向かうリハーサル室は5階にあり、 勤務開始5分前などは エレベーターが満員で中々乗れないので 健康に良い階

          歌劇場合唱団歌手の1日

          歌劇場の朝!

          オペラ公演 薄暗くなりライトアップされた劇場。 大勢の観客が美しい装いで次々と劇場入口にやって来る。 そんな人々に混ざって エレガントな黒の装いで楽器を持ったオーケストラ団員が足速に楽屋口に向かっていきます。 夕方6時30分 開場時間  賑わいと一種の緊張感、期待感の入り混じった そんな街の歌劇場。 これは夜の部 が、実は ここ歌劇場、 朝9時45分 朝の部は夜とは違った活気に満ち溢れています。 舞台美術を積んだ超大型トラックが劇場舞台裏の大きな搬入口に停まり

          歌劇場の朝!

          初めまして!合唱好きです❤️

          花残月です。はじめまして。 クラシック音楽が大好きで 音楽家への道を志しました。 子供の頃からずーっと合唱団で歌っています。 西洋音楽を身体で感じたいと、 ヨーロッパに留学し、声楽を学びました。 そして芸術と人々の魅力の虜になり この地に留まりました。 今はここ、ある素敵で静かな街のオペラ劇場で歌っています。 といっても 華々しいオーラを振りまくソリスト!では有りません。 私はプロフェッショナルの合唱団員です。 あまりに驚愕の 劇場でのちょっと変わったお仕事

          初めまして!合唱好きです❤️