いびつな愛情

いびつな愛情 第8章 ~母の人生の文脈を読む~

 私の母は、二十五歳で姉を産み、二十七歳で私を産みました。その後に二回妊娠したそうです。そのうち、一度は流産して、次は中絶しました。

「風疹かも知れないって言われたの」

 出産経験のある人にはわかると思いますが、妊娠初期で、風疹の検査をします。実は大人になると症状が出なくても、風疹にかかっていることがあるらしく、その場合、母胎は健康なのに、胎児だけ病気になってしまうそうです。

「もしも、風疹にかかっていたら、赤ちゃんの目が見えないかもって言われたの」

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