【読書録】生命科学の静かなる革命

ベストセラー「生物と無生物の間」の著者、福岡伸一さんの本、生命科学の静かなる革命読了しました。生命科学の基礎知識0でも楽しめます。生命科学界に多大なる貢献をした、遺伝子のらせん構造を発見したワトソンとクリックや、脳の視覚野では、一度受け取った情報をコード化して特徴量を抽出して、
情報を解凍していることを発見したヒューベルとウィーゼルについて
書いてあります。

発見の内容というよりは、科学者の人柄や育った環境などにスポットを
当てているため、非常に読みやすいです。

この本、実は前に一度読んだことがあったのですが、
データサイエンティストの仕事をした今、読み返すとヒューベルと
ウィーゼルの発見の偉大さを実感することが出来ました。

「視覚野が一度受け取った情報をコード化して、特徴量に落として、
それを解凍して情報を読み取っている」

これって今の仕事の画像解析を行っているステップと一緒だ!と。

いや、ニューラルネットって脳の動きを模倣して作られたから、
この発見を使って作られたから当たり前の話なんでしょうが、
この間までド文系畑をひた走っていた人間には驚きだったのです。

これが「シンギュラリティは近い」の本で解説されていた脳のリバース・
エンジニアリングというやつですね。脳の機能をパソコン上に再現する。

そしてディープラーニングの手法が誕生し、今や自動運転まで可能に
なろうとしている。

脳の機能を明らかにする研究ってものすごい価値を生むんですね。

生命科学の静かなる革命とは、その通りだなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?