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部活動の時間規制について

あまり毒を吐くような記事は書きたくないと思っていました。教員の魅力と、日々の楽しいことを記録したいと考えていましたが、できるだけ多くの方に知ってほしくて、今回は少しだけ毒を吐かせてもらいます。

以前紹介した記事に、部活動の時間規制について高校生視点でのメッセージが載せられていました。

「今でさえ練習時間が短いのに、さらに短くするのは夢すら持てず、さらに夢が遠くなる。運動面でもいい結果を出すために頑張りたいのに、大人の事情と、都合で人の夢を壊すようなことはやめて欲しい」

という高校生の声です。保護者も同様に、子どもの青春のために署名活動を行っているそうです。

なんというか・・・少し寂しい気持ちになります。
私たちがこれまでやってきたことは、生徒や保護者から見ると「先生なんだから当たり前」のことだったのでしょうか。
もう戻ってこない自分の子どもと過ごす時間、趣味を楽しむ時間、教材研究に没頭する時間、自分の体を休める時間、家の掃除をする時間、洗車をする時間、友人と遊びに行く時間、家族で旅行に行く時間・・・・そのすべてを投げ捨てて、部活に人生をささげることが先生のやるべきことなのでしょうか。
ちなみに各家庭が負担する年間の部活動費は、私の学校で5000円です。そのお金は私たち教員の収入になるはずもなく、選手登録費や消耗品の購入代金で消えてなくなります。熱心な先生は自腹で道具を購入する方もいらっしゃいます。
放課後、土日、子どもを預けて年間5000円です。Amazon Primeと同じ程度の料金です。とんでもないサブスク。
そして、この時間をかけて教員がもらえる手当は、週に2700円です。平日の残業代は0円、休日は1日2700円です。休日出勤の交通費は出ません。

私は、小さい子供が2人いながらも、理解のある?無理やり理解させている?妻のおかげで、部活をみることができています。まわりの教員から見ると、異常だと思います。
そんな私でも、残業はかなり少ない方です。6時半に家を出て、朝7時に出勤し、夕方は7時に退勤しています。土日もどちらか1日は休みにしています。
これでも週に19時間の残業です。繁忙期になると、仕事は家に持ち帰ります。そして家族が寝ている時間に終わらせます。

この状態を無視して、むしろほかの教員のこれ以上の状態を無視して「青春」を優先させるべきでしょうか。「子どもの都合」を優先させるべきでしょうか。格安でスポーツができる環境を提供するべきでしょうか。

私は、部活指導は好きですし、子供の成長を見られる充実した時間だと感じています。ただ、以前記事にしたように、趣味の時間と家族の時間を天秤にかけたときに、趣味が勝ってしまってはいけないと感じます。

当事者が言うのもなんですが、感謝の気持ちを持ってほしい。部活動で夢を追いかける熱い気持ちよりも、周りで支えてくれている人に対する感謝の気持ちの方が、一生使える財産になります。

ありがたいことに、私が担当している部活の保護者の方は、「いつもありがとうございます」という一言から会話を始めてくれます。保護者の姿勢も子どもたちに伝染し、やってもらうことが当たり前というスタンスの生徒はいません。部活を通して、競技力よりも、試合での勝ち負けよりも、自分の人生を充実させる心を育てていきたいです。

私が現在行っている部活動のスタイルについては、今後記事にしていきたいと思います。生徒も私もストレスの少ない状態で活動できているので、参考になれば。

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