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「嫉妬」の価値と使い方

どんなネガティブな感情にも意味はあるもの。

「心配」するから「準備をする」訳ですし、「恐怖」があるから「避けよう」とする。

生まれながらに「クモとかヘビが怖い…」と感じるのは、ぼくたちの祖先が「クモとかヘビに出会ったら避けた方がいい」と判断してきた名残なのかもしれません。

さらに、食べ物の好き・嫌いなんてのも分かりやすい。

子どもたちに嫌いな食べ物の理由を聞くと、「小さい頃に食べたとき、変な味がしてそれ以来食べられない…」なんて答えが返ってきます。

これは、「それは、健康を脅かすものかもしれないぞ!食べない方がいい!」という幼い頃の判断の名残かもしれません。

というように、ぼくたちが普通に生活している中で湧き上がってくるネガティブの根底には生きるための知恵が隠されている。

そんな前提を踏まえた上で、本記事は「嫉妬」をテーマとして取り上げました。

なぜ嫉妬かって?

「単純に興味があった!」という超絶個人的な理由でございます。

学びの楽しさは、確実に役立つかどうか判断がつかないけれど知りたい!というものを追求するときじゃないですか!

ということで、情報収集した結果をお楽しみください!


▼「嫉妬」という感情の意味って?

「男は体の関係に嫉妬し、女は感情に嫉妬する」

なんて話を信じておりました。

これは、嫉妬について研究しているデイヴィッド・バスさんらが行った調査がもとになっています。

例えば、1122人を対象に、「自分のパートナーが、他の誰かに関心を持つようになったところを想像してください。」と尋ね、「次のどちらにより強い失望を感じますか?」と聞いたのです。

A パートナーとその相手との間に、「感情面」で深い結びつきがある。
B パートナーとその相手との間に、「体の関係」がある。

このように質問をすると、男女間では35%の差があった模様。

あなたの予想通り、Aの感情的な結びつきに強い嫉妬を感じたのは女性であり、Bの場合は男性でした。

このような結果になった理由は、男女の性差、求められる役割の違いにあると見られています。

男性は、一般的に遺伝子ばらまき戦略をとっていますので、「体の関係」は許せない。

一方、女性は、質の良い遺伝子戦略を取ります。なぜ、質を求めるのかというと、「自分と子どもを守ってくれるかしら?」が気になるから。

だからこそ、「感情面での深いつながり」が相手との関係性をはかる重要なポイントとなる訳です。

という感じでまとめると、「まぁ、そんなものかな?」と思われるかもしれませんが、バスさんらの研究には、ちょっとあまいんじゃない?みたいな視点もありまして…

その気になる視点は、「実験参加者が大学生に限られているところ」にあるのですよね。

単純に考えて、恋愛における代表者が大学生であるとも言えない。

さらに、大学生以外の年代でも当然のことながら恋愛は大切なイベントであり、年代が異なることにより、嫉妬への考え方も異なるかもしれませんからね。

まぁ、そんな理由があるのねーくらいの軽い気持ちで受け止めておいてくださいね。

▼恋愛感情は病気の一種

「人間を狂わせるのは『お金』と『恋愛』である」なんて言われるように、「恋愛」というのは人間性自体を変化させてしまうことがあるのです。

その証拠に、好きな人のことを考えると…

・食事が喉を通らない
・やるべきことが手につかない
・悶々として眠れない

なんて症状に囚われたことありません。

この症状を「好きな人のことを考えていて…」という前情報を伝えずに他者に話をしたらどうでしょう。

きっと、

「お前、それはすぐに病院へ行けよ!」

と、アドバイスされると思いませんか?

人類学者のヘレン・フィッシャーさんの報告によると、

「恋に落ちたばかりの人は、最大で起きている時間の85%を好きな人のことを考えて過ごす」

としています。

やはり、これは立派な病気なのかもしれません。

しかし、「病気」というのはもしかしたらまだ軽い表現。

もうちょっと言葉を選ばなければ「中毒」とも言えるのです。

なんと、恋をしている状態の脳をfMRIでスキャンしたデータを調べたところ、

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