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大衆娯楽としてのカラオケ

前回の続きです。

 1976年 帝国電波が業務用のカラオケセットを販売しました。帝国電波とはクラリオンです。その結果、1977年から1980年にかけて第一次カラオケブームが到来します。日立製作所の子会社でカーナビゲーションシステム(カーナビ)やカーオーディオを手がけてきたクラリオンは今年の3月末、自動車部品大手のフランス・フォルシアの完全子会社となりました。これに伴い上場企業としての56年の歴史に終止符を打っています。

 さて、当時のマーケットで約600億の市場とであり、バーやスナックを中心に急成長しました。が、イメージとしてはネガティブなイメージがあり、利用するのは殿方だけというサブカルチャーでした。(「おやじ文化」と言われていましたが、おやじの文化が開花したのです。)

 1983年から1985年に第二次ブームが到来します。この時「おやじ文化」からの脱却をはかるべく、画期的な出来事が起こります。

ターゲットを若者にしぼったのです。その結果、カラオケは映像とタイアップしたのです。当時(1980年代)アメリカの音楽産業を中心に新曲が発売されるたびにMTVの登場によって急速にプロモーションビデオが一般化しました。

 特にマドンナやKing of Popと称されるマイケル・ジャクソンはミュージックビデオを駆使した例として有名です。(「スリラー」ならご存知ですよね。まるで映画を見ているような迫力がありました。) 日本でも、TMネットワークとかYMOとかが先駆的に映像を作っていましたよね。個人的には「ベストヒットUSA」とか、好きでした。(小林克也さんが渋かったな。今もBSで放映中)

 カラオケの映像を一挙に担ったのがパイオニアのレーザーディスクです。

このレーザーディスクの特徴は、

①歌詞の消し込みができる。

②音楽は再生しても劣化しない。

③リクエスト曲の頭出しの大幅な短縮。

④曲数が増える。

⑤個室化が可能となる

といった5つの特徴があげられます。

ちょっとだけ懐かしのレーザーディスクの画像を。ナイナイのお二人もむっちゃ若いー!!

 レーザーディスクという名称は日本国内ではこのパイオニアの登録商標だったそうです。そして、もともとは教育用に開発されたものでした。このレーザーディスクはカラオケなどに応用される事で技術開発が格段と進み、映画やアニメなどにも使用されるようなったのは、ご存知の通りです。

 この頃、個人が好きな音楽を聴く事がラジオからウォークマンに変化をたどっていきました。ウォークマンの登場で、自分の好きな音楽を聴く空間が自室だけではなく公共空間でも自分だけの空間を作る事が可能になったのです。

 それは、マイカーの普及に伴い進化するカーコンポにも影響を与えました。1980年代にはマイカーの中で音楽を楽しむための、カーステレオ等も各社しのぎを削りあらゆる商品がラインナップされました。また、レコード、テープから CDへと少しずつ音楽の楽しみ方も変化し大勢で楽しむ音楽から、個々の楽しみ、気のあった者同士で楽しむ音楽へと様相を変えていきました。

 その中でレーザーディスクが登場し、でカラオケの形態も変化します。

店に来た客の共有のカラオケ空間から個室化へと変容をとげました。当時、岡山では国鉄のコンテナを利用した個室のカラオケ店が登場しました。

 個室化により、常々いわれていた騒音の問題も解決し、従来の知らないもの同志が同じ空間を共有するという煩わしい人間関係も排除されるようになり、純粋にカラオケだけの空間がここに誕生したのです。

 カラオケは全世界に広まりましたが、このカラオケボックス(個室化)はアジアのみの独特の文化です。

 また、このカラオケボックスを広めた一因にはパイオニアが開発したオートチェンジャーがかかせません。自動的に次の曲が出てくるので、わざわざカラオケ機器のための店員は必要がなくなったのです。(多分、いまのカラオケボックスも必要最小限の店員しか(すら?・・・。)おいていないと思います。それが、カラオケボックスの火災などの時に問題にもなっているのだと思います。)

 ところがカラオケボックスは非行の温床として1980年代後半には条例や法律の整備が行われるようになりました。監視カメラがつき始めたのもこの頃からです。 それでも、リーマン・ショックなど不況の中でも、安くて手軽な娯楽として毎年娯楽のベスト5には入るカラオケです。

 さて、この日本が誇る技術開発力により一世風靡したレーザーディスクもDVD など新たなメディア に押され、またカラオケへの新曲への対応が遅い事など時代に変化対応に遅れた事もあり2009年1月には生産を終了しています。1981年10月に発売して以来、日本国内で累計約360万台が販売され、愛用されていました。

 それと同様に、音楽もレコード会社からではなく、通信型に変更されていますよね。流行のタイムラグがなくなるという点では画期的なものだと思います。昔ながらのLPでジャズを聞かせるお店が流行っていたりする姿を見ると、温故知新、きっとこの通信型も廃れてくる時があるのかな?と思ったり。

この通信型カラオケも前回お話しした「タイトー」が開発第一号でした。

 カラオケは、こんな風に海外で紹介をされています。

 Karaoke Around The World,

 Global Technology,

 Local Singing

 カラオケ、苦手な方もいらっしゃると思います。でも、次に誘われたら、「世界の誇る大衆文化としてのカラオケ」の進化を色々と感じていただけるといいなぁ。











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