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わたしは、鳥です。 大きな梅の木、そのてっぺんが、わたしのお気に入りの場所です。 お…
「ねぇ、お母さん。お父さんのスマホのパスコードなんて、分からないよね」 四十九日だった…
「春と風、良い季節になりましたな。特に今日の風はいい感じだ。風向きも良い」 「木村さん、…
辰さんの骨を盗んだ。 辰さんの奥さんが、辰さんの足の骨を骨壷に入れている隙に。 他の…
覚えてるか? あそこにあった中華屋。老夫婦がやってた子汚ねぇ店。 美味かったよなぁ…
私の好きなもの。それはアイスクリームです。 アイスクリームをなめるときは、目を閉じま…
「クリスマスの夜、愛子にプロポーズをしようと思っている」 公園の木々が色づき始めた秋の終わり頃、僕は来るべき冬の計画、人生最大の決意を健太に伝えた。 「バカじゃね」 幼い頃からの親友は、ひと言で僕の決意をぶった斬った。 ダンサーの僕たちが、集まって練習をする公園の広場。みんなで数曲を踊った後だった。汗をかいた身体が一瞬で冷えた。 「なんでだよ、なにがバカなんだよ。愛子と結婚するなって言いたいのかよ」 僕は汗を拭く手を止めて、語気を強めた。 「いや、結婚は賛成だよ。愛子
十二月二十五日、僕は、言葉を拾った。 クリスマスのその日は、午後から雪が降り始めた…
詩と暮らす、ってサイト知ってる? ちょうど一年前の朝、鏡に向かってネクタイを締めて…
誕生日にプロポーズする。 僕は、遠距離恋愛中の彼女の誕生日に、結婚を申し込むと決めて…
「今日は、この籠の中に鷺を入れました」 テーブルの上に置かれた美しい鳥籠。その籠を見つ…
吸血鬼。日本在住。好きな人の血が好き。 noteにプロフィール欄があることに最近気づいた…
珈琲と呪文。このふたつの組み合わせで、気持ちがふっと軽くなった人の話を、今日はしたいと…
その女性は、斜め向かいのアパートに住んでいる。名前も年齢も知らない。 一年ほど前の日曜日、ベランダで洗濯物を干していた僕は、右斜め下(僕の部屋は三階だから、彼女は二階)の女性に初めて気づいた。 彼女は空を見ていた。ベランダに面した掃き出し窓を開け、床にぺたんと座り、空を見ていた。 毎週日曜日、彼女はそこにいた。 僕はベランダに出るたびにこっそり(のぞきをしている変態と疑われないように)右斜め下に目をやった。 置物のように動かない女性。不思議な人を見つけたと僕は思