マガジンのカバー画像

わかりやすい!漢方薬

10
漢方薬が好きな方、漢方薬に興味がある方のための知っておくと便利な漢方薬の知識をご紹介!
運営しているクリエイター

記事一覧

わかりやすい!漢方薬〜くすり箱にあると便利な漢方薬⑧加味逍遙散

個人的にも大好きな漢方薬「加味逍遙散」のご紹介です。 特に、30代~50代の女性では、ホルモンバランスが不安定になり、自律神経が乱れがちになり様々な不調が出てきやすくなります。 精神的に不安定になるのもその一つ。月経の前後で気分にムラが出たり、イライラしたりすることもあります。 イライラは、自分でコントロールしようと思ってもなかなか難しいのが現状です。なぜなら、我慢してしまうこと、コントロールしようとすることがよりいっそうのイライラを招いてしまうから。 漢方薬の手を借

わかりやすい!漢方薬〜くすり箱にあると便利な漢方薬⑦六君子湯

前回ご紹介した、補中益気湯にも、胃腸の働きを高める効果があるのですが、胃がもたれる、食べても食べ物が胃の中に残っている感じがする(消化できていない)などともっと具体的に胃腸症状がある場合には、「六君子湯」がおすすめです。 六君子湯 食べるとすぐに眠くなり、体のだるさがなかなか取れない時にも、胃腸の働きを高め、胃のなかの湿を除いて重だるさを軽減してくれます。病後や夏バテで、食欲の低下が激しい場合にも良い漢方薬です。 中医学的に見ると、『脾胃気虚・痰湿』や『痰湿困脾』と言わ

わかりやすい!漢方薬〜くすり箱にあると便利な漢方薬⑥補中益気湯

よく、「元気がない」「気力がない」と言いますが、この「気」というのは、日本人が本来持っている感覚で、体の中に流れるエネルギーのようなものです。 中医学の基礎でもご紹介いたしましたね! この、「気」が不足すると、疲れやすくなり、動くのがおっくうになったり、やる気が無くなったりします。 この、「気」を補う代表的な漢方薬は、「補中益気湯」です。 補中益気湯 日常で疲れが続いている時のほか、夏バテなどで胃腸のはたらきが低下し、栄養を全身に送ることができないために『疲れ』とし

わかりやすい!漢方薬〜くすり箱にあると便利な漢方薬⑤芍薬甘草湯

✔︎  外出時、急にお腹が痛くなった ✔︎ 運動していると急に足がつった!  急な痛みに即効性がある漢方薬は、「芍薬甘草湯」です。 芍薬甘草湯  芍薬甘草湯は、筋肉のけいれんを和らげるはたらきがある漢方薬で、  かなり即効性が期待できます。  足がつったとき(こむらがえりなど)、腹痛、生理痛などの急な痛み  によく効きます。  味も、甘味がありとても美味しい漢方薬です。 特にトレッキングやサイクリング、キャンプなど、外で楽しむアクティビティのお供として、『いざ!』

わかりやすい!漢方薬Vo.6〜くすり箱にあると便利な漢方薬④五苓散

曇りの日や、梅雨時期、台風が近づいてきた時に頭が痛くなる、体が重だるくなるということはありませんか? これは、空気中の湿度が高くなり、からだの中に余分な水分(湿といいます)がそれに反応して、体内の湿度も高くなった時に起こる症状なのです。(中医学の基礎でご紹介した『内湿』です) この体内の湿を除くのに効果的な漢方薬は「五苓散」です。 五苓散のはたらき 通常、体の中の水分は、尿や汗、その他の分泌物として体外に排泄されていますが、何らかの原因によって尿や汗としてうまく出すこ

わかりやすい!漢方薬Vo.5 くすり箱にあると便利な漢方薬③柴胡桂枝湯

 本格的な風邪をひいて、高熱や喉の痛み、頭の痛みなどのピークの症状は無くなってもしばらくはなんとなくすっきりしない、頭がぼーっとする、体の節々が痛い、だるい、下痢っぽい、食欲がないなどの症状が続くことがありますね。 これは、中医学では『半表半裏』の状態といい、体表だけにとどまっていた病邪が、一部からだの中に侵入してしまったと考えます。 まだ風邪のような症状が残ってはいる(表証がある)のですが、胃腸にも影響を及ぼしている(裏証もある)のでこの状態を『半表半裏症』というのです

わかりやすい!漢方薬Vo.4〜くすり箱にあると便利な漢方薬②桔梗湯

風邪をひいたみたいだけれど、『のど』だけがおかしいときってありますよね。 熱もだるさも、寒気もないけれど『のど』だけに違和感がある・・ そんな時には、「桔梗湯」がおすすめです。 桔梗湯 桔梗湯は、桔梗と甘草の2種類の生薬から成る漢方薬で、とっても甘くて美味しい漢方薬です。 風邪が喉にきた! というときや、黄砂や花粉などでのどに違和感を感じる時にも良いでしょう。 2歳以上のお子様も飲める漢方薬で、とても甘いのでお子様がのどが痛いという時にも! 桔梗湯の構成生薬 服

わかりやすい!漢方薬Vo.3〜くすり箱にあると便利な漢方薬①葛根湯

今回から、ドラックストアやネットなどで購入できる漢方薬について、少し詳しくみていきましょう。 日本漢方の考え方では、『この症状があればこの漢方薬』という選び方をするのですが、今回は中医学的な考え方を交えてご説明していきます。 葛根湯 葛根湯の中医学的な解説 頭が痛い、節々が痛い、寒気が強い、鼻水や鼻詰まりがひどくなってきた・・という場合には、からだを温めて体温をあげ、戦う力をアップする必要があります。 風邪をひいたときの初期の症状は、症状が内部(内臓)ではなく、表面

わかりやすい!漢方薬 Vo.2〜注意が必要な生薬〜

漢方薬には副作用がない? ほとんどの漢方薬は、適切な量を適切な期間使用する場合には、西洋薬に見られるような重篤な副作用はありません。  一般的には、『地黄』などの滋陰薬=からだに潤いを与えるはたらきのある生薬は消化不良を起こしやすいため、生姜や大棗といった消化機能を高める生薬を一緒に入れて胃もたれを防いだり、乾燥させやすい性質を持つ生薬は、潤いを与えるはたらきのある生薬と一緒にするなど、漢方薬自体に副作用を防ぐ工夫がされています。 ただし、体質によっては、副作用が強く出

わかりやすい!漢方薬 Vo.1〜漢方薬はメーカーによる違いがあるの?〜

今回から、ご家庭で実際に『漢方薬』を病気の時や不調のサポートとして利用することを前提に、漢方薬や生薬について解説していきたいと思います。 漢方薬をご購入する際には、専門家にご相談の上ご購入いただくことが大切ですが、ご自身である程度知識を持っていると、家にある漢方薬や病院でもらった漢方薬を服用するときに役立ちます。 そもそも漢方薬とはそもそも漢方薬とは 漢方薬は、基本的に2種類以上の「生薬」の組み合わせからなる医薬品です。 生薬は、草木などの植物や鉱物、動物などを乾燥さ