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わかりやすい!中医学の基礎Vo.23〜『血』のトラブル2 『血瘀(けつお)』


血瘀とは


東洋医学では、『血』が流れにくくなり、滞っている状態を、「血瘀(けつお)」と呼んでいます。

西洋医学的な、血液の流れが滞る末梢循環障害だけではなく、子宮筋腫やがんなどの腫瘤も広い意味での血瘀の状態であるととらえます。

血瘀では、血がスムーズに流れず、粘性を持った汚れた血が滞っている状態です。(古血の溜まり)


栄養に富んだ新しい『血』が流れ込まないと、からだの各組織は栄養されず、しみやくすみ、肌荒れなどの皮膚トラブルが起こりやすくなったり、肩こりや首のこりなどの「こり」として症状が出ることもあります。

血瘀になる原因

●冷えることで血液の流れが滞る
●運動不足
●不規則な生活による自律神経系の乱れ
●睡眠不足 
●偏食などで気滞や気虚から生じたもの
●外傷
●栄養不良による血虚から瘀血となったもの

女性は妊娠・出産を経ることが多く、また男性よりも筋肉量が相対的に少ないため、より血瘀になりやすい体質であると言えます。


血瘀の症状チェック

血瘀があると起こりやすい症状

血瘀を治療する生薬


『瘀血』を治療するために使われる生薬は、血液の滞りを改善する力が強いため、妊娠中は使用しないでください。

(妊娠中は、胎児に血液を送るために血液の流れは通常よりもゆっくりになっているのが正常な状態です。必要以上に流れをよくすると、胎児に影響するとされています。)

紅花(こうか)


紅花

川芎

川芎

大黄

便秘薬として有名な生薬ですが、『瘀血』を取り除く代表的な生薬でもあります。


大黄

桃仁

モモの種です。桃仁に限らず、『種』を使う生薬には、便通を良くするものが多いです。

桃仁

牡丹皮


牡丹皮


血瘀を治す代表的な漢方薬



桂枝茯苓丸


 女性にのための、血瘀を治す漢方薬の代表は「桂枝茯苓丸」です。

年齢を重ねると、健康な方でも血のめぐりは若いときに比べると流れにくくなってきます。

月経、出産、閉経を経験し、体内のホルモン分泌も大きく変動するのが30代から50代にかけて。

桂枝茯苓丸は、血の滞りを解消しながらも新しい血を生み出すのを助け、また体内の水分代謝を助けて、体内の血と津液(合わせて陰血といいます)を新しいものに入れ替え、体の細胞の生まれ変わりを助けるは働きがあります。


まとめ


血瘀
月経と血瘀
美容と血瘀


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