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今しかできない経験にお金を使う

少しひんやりする晴天の朝、ほのかに金木犀の香りがして嬉しくなります。

朝、無職の私がうちでごろごろしている時に、出勤する女性のヒールの足音が聞こえてくると、少し辛かった夏。
秋になり、私にも社会での役割があり、毎日同じ場所に向かうようになりました。

今年はしばらく無職だったため、かなり貯金が減りました。
毎日早起きして、時には嫌な思いもしながら私なりに一生懸命働いて、一年以上かけて貯めた額を使ってしまいました。
また毎月安定した収入が得られるようになりましたが、まだ心に余裕がありません。

また無職になるかもしれない。
病気になるかもしれない。
節約して、いざという時のためにお金を貯めておいた方がいい。

そう思って働き始めましたが、最近この本を読んで、考え方を変えました。

節約して楽しみを先のばしにして、死ぬときにお金がたくさんあっても意味がない。
定年退職後に旅行を楽しもうと思っていても、その時には体力もなく、健康でもないかもしれない。
今しかできない経験にお金を使った方がいい。
そんな内容に、なるほどと思いました。

この本を読むのは2回目。
最初読んだ時にとても共感して、思い立ってすぐ、白鳥を見るために新潟へ行きました。


かなり減った貯金残高は気になります。
だけど、多少お金がかかっても、今しかできない経験にお金を使いたい。

若い頃とは違いますが、今しかできないことがあります。

それは、高齢の母親と出かけること。

残りの人生、母親と旅行に行けるのはあと何回?
近い将来、自分も親も、健康かどうかわからない。
旅行はもっと経済的に余裕ができてから、と思っていても、来年にはもう行けないかもしれない。

そう思い、紅葉がきれいな時期に、母と二人で京都へ行くことにしました。

ホテルの宿泊費が、普段の3倍くらいでしょうか。
高い。質の割に、とても高い。
だけど、安い時期に行くより紅葉を見に行った方が、母とずっと先まで語り合える、いい思い出ができるはず。
ここは、お金をケチるところではない気がします。

この時期はホテルが高すぎるから、また今度・・・。
そう思っているうちに、もう母と一緒に旅行はできなくなるかもしれない。


私は10代の頃から海外旅行が好きでした。
留学もしたことがあります。
日本にはない景色、食事、人との出会い。
異文化の中で過ごす時間が大好きでした。
だけど、人生でとても辛い事があってから、海外に行く気持ちにはなれなくなってしまいました。

海外に行った時の事はよく覚えていて、だいぶ前のことでも時々思い出します。
あの時、あの人と一緒に旅行に行っておいてよかったな。
留学しなかったら、その後の人生の選択も違っていて、今の私はいなかっただろうな。

とてもお金はかかったけど、私の海外旅行や留学の経験は、思い出すたびに幸せな気分にしてくれる「記憶の配当」です。



「経験からは、その瞬間の喜びだけではなく、後で思い出せる記憶が得られる。」

紅葉の京都。
母と一緒にその時を楽しむためにも、将来「思い出の配当」を得るためにも、きっと良い投資に違いないと思っています。


白鳥を見に行った時の動画はこちらです。


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