社内の情報共有とリソース活用

情報共有ってとにかく大事、
とよく言われます。

よくある報連相レベルではなく、
情報は何でも・誰にでも見えるようにしたほうが良い。
経営数字も同様。
そうしたら社員は自分で考え、判断して動けるようになる。

そんな論調についての話です。

こちら、
個人的にはちょっと疑問です。

たしかに、全ての情報が見えるようになると、
経営陣と同等の視座・視点を持って
社員が物事を考えられるようになる。

そんな期待を、経営・平社員の双方がする
気持ちはわかります。
私も平社員のときには、
そういう期待を持っていました。

一方で、情報というのは
読み解くために一定のリテラシーが必要です。

例えば、会計数字の見方がわからない人に
B/S・P/Lを見せたとしても
その意味は伝わりません。

他の数字・指標などについても、
それぞれの業務知見があるかないかで
伝わり度合いに大きく差が出ます。

人間、自分がわからない情報はスルーするか、
自分がわかる情報だけ部分的にかいつまんで
都合のよい解釈をするか、
いずれかになることがほとんどです。

どちらも、
経営的に出したい成果から見て
機能するかと言われると、微妙です。

※会社の場や空気感として、
適切なマインドセット・信頼感をもって
情報を受け取ってくれる状況が
作れているなら話は別です。
情報公開されていることの安心感が
経営的にも、良い方向に働くこともあるのではと。

そうすると、
単に情報公開するだけではなく、
わかりやすい情報公開が必要になるかもしれません。

理解度が最も低い社員が理解できるまで
わかりやすくするためのコストを割くのかどうか。
これは、結構大きなコストがかかると思います。

だったら、社員のレベルを上げるための教育投資か、
採用基準を高める動きをするのか。

これは、さすがに目的と手段が逆転してますね。
「公開している情報を分かるようにする」
という目的の教育・採用をするコストなんて、
経営目標の達成とは紐づきません。

あとは、たまたま優秀な人が集まっており
公開した情報が分かる理解度を持っていたとしても
情報を受け取ること自体にもコストがかかることを
忘れてはいけません。

これらを踏まえると、
結局、経営から見たときには
公開する情報を絞る方が機能する、
となるのでは、と考えています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?