カワイイの呪い


誰かと生きづらい原因ってなんだろうね?

って話をするときに「同調圧力」って言葉が出てくることがある。
自分が本当は〇〇したくなくてもたくさんの人が〇〇しようという雰囲気で断れない…っていうあれ。
誰かが勝手に決めた「普通」「常識」とか誰だかよくわからない「世間」とか「みんな」が言ってるとか。

 自分が感じてきた「同調圧力」はたくさんあったけど、中でも違和感を覚えたのは「女性はみんなおしゃれになりたいと思っているし、おしゃれのために努力するべき」というもの。
 ついでに一昔前は「おしゃれは男性のためにするもの」っていう言葉もよく聞いた。

つまり「女性は男性と付き合うために必死でおしゃれをするものだし、おしゃれをする努力をしてないやつはおかしい」という価値観を持った人が多かった。ツッコミどころ、満載。令和に生きてるみんな、どう思う?

 性別に関係なく誰が誰を好きになったっていいし、そもそも性別を決めない人だっている。おしゃれは自分のためにしたっていいし、しなくたっていい。もちろん好きな人に振り向いてほしくて頑張るのもその人の自由。誰がスカートをはいてもいい。

 遊びにいくとき、大好きな場所にいくとき、自分を勇気づけたいとき、そんなときだけおしゃれをして、普段はあんまりお化粧とかしない。そんなスタイルもありだよね。

 自分はお化粧はほとんどしてない。洋服は流行よりも自分が気に入るものが好き。
というか服よりも本がほしいから必要最低限しか服は買わない。
夏はほとんどTシャツとジーパンで過ごしてる。たぶんすっごく省エネなおしゃれの楽しみ方だと思うけど、おかげで快適。

 こういうことを言うとすぐ「太っててもかわいくなれるよ!」とか「彼氏ができたら(好きな人ができたら)変わるよ!」とかいう言葉が飛んでくる。

いや、突然何の話ですか?あなたと体型や恋愛みたいなプライベートな話をする程、仲良くないんですけど?余計なお世話って知ってます?

 こんなときは、喉元まで出かかった言葉を飲み込んで、死んだ目で愛想笑いをしていた。愛想笑いをするたびに心の中で「あ〜やっぱりおかしいのは自分なんだ。
どうして普通になれないのかな」と思っていた。そして「もっとおしゃれしなよ!」「痩せてかわいくなろうよ!」「それで彼氏をつく(以下略)」という言葉を浴び続けた結果、当時の自分はものすごい「おしゃれ嫌い」「恋愛アレルギー」になっていた。

 誤解がないように言っておくと、今の自分はおしゃれや恋愛に対して特別に悪いイメージを持ってるわけじゃない。おしゃれ以外の全てと同じでいい面も悪い面もあると捉えている。

それに最近は「ジェンダー」や「おしゃれ」への理解が進んで昔よりも自由な空気感になった気がする。

「ボディポジティブ」って言葉も出てきたよね。プラスサイズモデルっていう職業ができたりして「どんな体型でもあなたはOK!おしゃれを楽しんでもいいんだよ!」というメッセージを発信する人も増えてきた。

こういうメッセージには80%くらい賛成なんだけど、おしゃれ嫌いだった自分としてはまだ「太ってても(かわいくなろうとしているなら)OK!」という含みを感じてしまって、なんだかな〜という気持ちになることもある。
たくさんの人が好きで楽しんでるものって「NO」って言いづらい空気感がある気がする。

 きっと今を生きてるみんなにもそれぞれ感じる「同調圧力」があるんじゃないかと思う。自分の周りに、自力ではどうにも逃れがたい空気がつくられていくのはすごくしんどいことだよね。

 そんな時にどうしたらいいか、自分のおすすめの方法は「知る」こと。「普通」と違う生き方をしている人とか、自分と同じような考えの人とか。自分とは違う考えでも「そのままのあなた」を受け入れてくれる人もいたりする。

 SNSでもいいし、リアルで会う人でもいい。直接話さなくてもその人が作った絵や曲から感じることもあるかもしれない。まだまだ世界にはいろんな同調圧力っていう呪いがあると思うけど、自分の感じている世界が全てじゃないって知ると心が一気に軽くなるよ。


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