12月17日

 母の離職票が届いたので、ハローワーク行きに便乗した。応募したい求人があったわけではないが、求職者マイページが三ヶ月の利用期間を経て無効になって久しい。有効化してもらうには再度訪れねばならず、それだけのためにわざわさ片道三十分以上かけなければならないのが、時間もガソリンも勿体なく思え、不便さに苛々しながらも放置していたのだった。
 ハローワークは閑古鳥であった。こんなに空いているのを見たことがないくらい、利用者が少なかった。窓口に座っている職員もとても暇そうなのに、一定時間待たされるのが何とも納得出来ない。呼ばれて十秒ほどで私の用事は済んでしまった。
 利用者が少ないのは、仕事がないからなのか、求職者がいないせいなのか、年の瀬だからなのか…。そのどれかなのか、そのすべてなのか、全く別の理由なのかわからないが、給付期間もとうに過ぎているのに未だ仕事が決まらず、決まる目途も立たず、ハローワークという機関を上手く使いこなせずにもたもた無職を続けている自分が、とてつもなく場違いに思えて居心地が悪かった。
 
 帰宅後、各種書類に追われる。
 私の扶養に入れなくなった母が、自身で国民健康保険に入らなけれはならなくなった為に、手続き云々で再々役所を訪れていたのだが、テレビか何かで観た〝減免措置〟というものに私自身が該当するとかで、代理交渉して来たらしい。有り難いことに、先月までに支払った国民健康保険料から一部返金されることになった。火の車の預金通帳に若干の恵みの雨。カード払いにしたパソコン代の足しになってくれそうで、涙が出た。
 コロナ禍がマイナス要素を確実に緩和している…と感じる一方、いつまで経っても仕事に就けないのがコロナのせいでもあるのか、このところ本当に解らなくなってきた。コロナ禍でなければ、私はとっくに就職出来ていた…という自信も、私は持てないのままなのである。
 したい仕事、身を置きたい環境、それらに私の居場所が見付からない。
 誰のせいにも出来ないから、自分を責める。無力さを、スキル不足を、時代に添えない不器用さを…。
 私は私の仕事が判らない。何処で何をして、どのように生きていくのかが判らないのである。行きたい場所も、なりたい姿も、手に入れたい形も明確にあるのに、そこへ辿り着くまでの道だけが何処にもない。私は何処へ、向かうのだろう…。

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