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親父にZoomを教えたら、己の非力さを知ると同時に、親子なんだなーとなんだか落胆した話

親父は65才で、全社員で10名足らずで、最年少が50代という THE 零細企業 そのものという会社で働いている。

そんな親父から、昨日水曜日に連絡がきた。「明後日金曜日の社外との大きめの会議がZoomで行われる。やり方がわからない教えてくれ。」と。

水曜日にきた連絡は時間も遅かったため「じゃぁZoomって検索して公式サイトから、会議で使うパソコンにダウンロードして、また明日連絡して」そう言い残して電話を切った。

正直、10分で説明できると思った。親父は一応この言葉だけでZoomをPCにインストールするぐらいまでのリテラシーはあったからだ。

しかも(文章はともかく)手前味噌ながら、口頭で人に分かりやすく説明するのは、自他評価共に案外得意だったりする。

ところがどっこい

結論からいうと、午前と午後で計2時間、実際にZoomでつなぎながら説明したりリハーサルしたりした。そして、マニュアルも作成して送ったので追加で1時間。合計3時間ぐらい使ってしまったのだ。
たかがZoom会議を親父に教えるだけで。。。
(育休中だったからできたけど、通常の平日だったら無理だったな。。)

得意意識があっただけに、己の非力さを痛感した。

もっといい伝え方あったな。話す順番間違えたな。。内省的なもんで、ついつい考えてしまう。

今回で分かった自分の課題点は 理解度が分からない相手への説明を最短で行うことが苦手 ということ。

ある程度分かっている人への説明だけでなく、全っっく何も分からない人への説明も割と得意だ。ゼロベースで組み立てていけばいいから。
でも、理解度が不明な場合で、かつ最短距離で説明しようとした場合、言葉のチョイスに思考のリソースが奪われ、スムーズに論理をつなげられない。

例えば「ちょっとPCとスマホがハウリングしてるから、どっちかミュートにして」と伝えたいときに、「ハウリングとミュートは伝わるのか?いや、伝わらんだろう。あれ?これどう説明したらいいんだ?いや、言葉はどうでもいいだろ。目的を達成するためには、どう伝えたらいいんだっけ?」と脳内会議が行われ、結局バシッと言えず、想定より時間を食う。
結果、道草が長くなり、本題での前の話と次の話のつながりが弱く、自分でも違和感を感じ、「なんでこんなことがスムーズにいかんねん!」と自分の親なので特にイライラしてしまい、また説明がスムーズにいかない。という悪循環。

「親だから」という照れも若干あったとは思う。

なんか仕事関連の他人であれば、ちゃんとヒアリングした上で、頭で説明ロジックを組み立てて、もうちょっとマシに説明できたと思うのだけど。。

結局、説明力の弱さを感じたので、マニュアルもつくって送ってしまった。。伝わったかどうかの不安さを、工数で解消してしまった。。

※こんなのをつくって渡した↓↓

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そんないい意味でもなく、やっぱ親子だなーと思った話。

今回ひしひしと感じたのはこっち。

親父は自分が不安なこと、特に新しくやる作業は、しっかり準備して、リハーサルするタイプ。それは完全に僕も同じ。
段取りを重視するので、ある程度しっかりしなきゃいけない時に、準備不足で段取り悪い人が正直すごく嫌だ。

これ自体は悪いことではないと思う。なんだったらいいことだとは思うんだけど、僕としてはしっかり準備しないと不安だというこの性格を直したい(じゃないとコストばっかりかかるから)と30才になって特に思っていたので、あぁ、これは遺伝だから直らないんだな とひどく現実をみたような気分になって、笑える範囲の落胆をした。

つまり何に落胆したのかというと、僕が望む「楽観的」というものは、そんな簡単に手に入る代物じゃないことに気づいたことに落胆したのだ。

実際、Zoomでリハーサルする親父の声は、子からするとただただ笑ってしまうレベルに不安声だった。笑

しかもタイミング悪く、ちょうどこんな話を本で読んだばかりだ。

”狩猟民族では、次いく場所にはきっと何かあると移動することで生き延びようと考える者と、次いく場所のリスクを考えると、今いる場所に残った方が生き延びれると考える者がいた。前者はポジティブの先祖で、後者はネガティブの先祖である。どちらが良い悪いとかではなく、両者いたことで人類は常に最適解を模索できたのである。”

あぁ、DNAレベルのことだから、そんな簡単に変われないんだろうな...と思った矢先のZoom講義だったので、もう笑ってしまった。

僕は、2021年の3月、かねてから予定してたとおり、家族で僕の地元に戻り住む。
親とは同居しないが、めちゃ近の距離になるので、これからこんな風に、笑ってまう遺伝をもっともっと感じるんだろうな。

そう思うと、ふと笑ってしまう。

というのが、温かみのあるnoteの締め方なんだろうが、僕の場合は、ふと笑った2秒後にため息が出る。



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