【エッセイ(ミニ)】いい友達
先週、飲み物を買いにコンビニへ。
店内にふたつあるレジの内、ひとつはクローズ中でもうひとつのレジではひとりのお客様の商品を店員さんが計算していました。そのお客様の後ろに並んで順番待ちをしていたら、ちょっとやんちゃ系(に見える)の3人の20歳前後(に見える)の男性たちが店内に入って来てそれぞれコンビニの商品を選ぶとすぐに会計待ちの私の後ろに並びました。
やがて店の奥からもうひとりの店員さんがやって来て
「お待ちのお客様、どうぞ~」
と2番目に並んでいた私を別のレジへ促しました。
すると私のすぐ後ろに並んでいたひとりのやんちゃ君が、私を抜いて走って別のレジへ向かったので私は促してくれた店員さんへ
『私はいいので、彼の会計を先にどうぞ』
の意味を込めて笑、目で合図をしたら店員さんはやんちゃ君の会計をはじめました。
そんな彼の行動を見ていた別のやんちゃ君が
「お前、そんなことしたらダメだろう!」
「お前の前にもうひとりの人が並んでいるだろう!そのひとが先だよ!」
と私にも聞こえるような声のボリュームで走った彼を叱りました。
…いや、私は特に気にしてないし、大丈夫ですよ…と注意した彼に声をかけようとしたら
「お前がもし、同じようにされたらどんな気持ちか?」
「人の気持ちもちゃんと考えろよ…」
と叱るような口調から、悟らせるような口調に変わりました。
もしかしたらほんの些細な出来事だけれどレジに走った彼にとって、叱った彼にとって、とても大切な瞬間に私は立ち会っているのかも…
と思えてきたので私は「大丈夫ですよ」の台詞を吞み込んで会計をすませ
彼らのやりとりを聞こえているような、聞こえていないような素振りをしながらコンビニを後にしました。
親が子を叱るシーンはわりとよく見ますが、友達同士でのこういうシーンはあまり見たことが無かったので新鮮でした(コンビニあるあるかもしれませんが)。
いい友達ですね。
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