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八首抄 令和6年4月号

成田ヱツ子選


 
図書室で探しておりました 優しい肩だと言われる時を(森崎理加)
 
この年の平安祈れる元日に揺さぶり揺らす生命体地球(山口美加代)
 
母の齢共に越えたる姉と吾二人ぼっちになってしまった(児玉南海子)
 
胃も腸もあるじのわれと同い年粥をすすればうべなひてをり(高田香澄)
 
熱熱の豚汁鍋を自転車で友持ちくるる冷えしるきタ(田中昭子)

あの日から何万回も伸ばす手に触れる手は無く空掴むのみ(三上眞知子)
 
とおき日のわが世の春に舞い込みしあなたの羽は今も空色(鎌田国寿)
 
人棲まぬ屋敷の大栗狙いたる子連居たらし熊の棚あり(田口耕生)



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