選歌 令和6年5月号
まっかな爪消して行くなり雨の中今日の会議は元職の会(松下睦子)寒き夜にサクラの精は生れしとふ雪降る今宵しづかに待ちぬ(岩本ちずる)程々の疲れセーター身に纏ひ朝のコンビニ午後のコンビニ(臼井良夫)恵方から点火されたる左義長の弾ける音は山登りゆく(浦山増二)淋しさを重ね重ねて三月の空は未だに白雪散らす(児玉南海子)驚きているのは鹿も同じらしふいの出会いに固まっている(高田好)白子産一番海苔のあざあざし目に食べて今朝は二度に味はふ(橋本俊明)三歳はどんどん人に成りゆくか早くも園に好