短歌の会 覇王樹|短歌会

短歌に興味をもつ方、若い人からご年輩の方まで、みなさまのご入会を心から歓迎します。 …

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短歌に興味をもつ方、若い人からご年輩の方まで、みなさまのご入会を心から歓迎します。 ➢ お問い合わせ先: https://www.haoujusha.com/blank-2 ➣ 短歌の会 覇王樹|公式サイト: https://www.haoujusha.com/

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選歌 令和6年5月号

まっかな爪消して行くなり雨の中今日の会議は元職の会(松下睦子)寒き夜にサクラの精は生れしとふ雪降る今宵しづかに待ちぬ(岩本ちずる)程々の疲れセーター身に纏ひ朝のコンビニ午後のコンビニ(臼井良夫)恵方から点火されたる左義長の弾ける音は山登りゆく(浦山増二)淋しさを重ね重ねて三月の空は未だに白雪散らす(児玉南海子)驚きているのは鹿も同じらしふいの出会いに固まっている(高田好)白子産一番海苔のあざあざし目に食べて今朝は二度に味はふ(橋本俊明)三歳はどんどん人に成りゆくか早くも園に好

        • 八首抄 令和6年5月号

          橋本俊明選 雪解けの進む光の畦渡る乾ける土の足に和らぐ(田口耕生)介護中ありがとう言う夫なれば私の中にそよ風が吹く(山口みさ子) 八十九の老女を手本と医師言へりそれはわたしか笑ふほかなし(渡辺茂子) まるまりて行き場なくしし鳥のごとただ黙しいる如月の今日(北岡礼子) 願えども世界平和は手にできぬ水に映れる月の如くに(高橋美香子) なさけ深ききみが面影抱きつつ博多男子は東へ下れり(石谷流花) 冬期なる土手の柳の静もりて街川の面鈍く昏れゆく(田中春代) 辛党でも喜ん

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          選歌 令和6年4月号

          被きたる雪の帽子にさざんかは寄り合うようにくれない灯す(藤峰タケ子) コマ送りするかのように窓越しに真白き富士はぬっと現わる(宮本照男) 赤塗りの水上客船現れる橋の下より龍のごとくに(清水素子) 淋しさもとことん辿りつきたればそれが力になるとは言えど(高田好) この時は何を考えていただろう太宰治のグラビアの顔(田中春代) まちがへてアクセル踏めるさながらに饒舌とまらぬ熱燗一合(山北悦子) ママを呼ぶ四人の曾孫の声は似て男女差のなくどれもソプラノ(上村理恵子)

          八首抄 令和6年4月号

          成田ヱツ子選 図書室で探しておりました 優しい肩だと言われる時を(森崎理加) この年の平安祈れる元日に揺さぶり揺らす生命体地球(山口美加代) 母の齢共に越えたる姉と吾二人ぼっちになってしまった(児玉南海子) 胃も腸もあるじのわれと同い年粥をすすればうべなひてをり(高田香澄) 熱熱の豚汁鍋を自転車で友持ちくるる冷えしるきタ(田中昭子)あの日から何万回も伸ばす手に触れる手は無く空掴むのみ(三上眞知子) 杳き日のわが世の春に舞い込みしあなたの羽は今も空色(鎌

          八首抄 令和6年4月号

          選歌 令和6年3月号

          山茶花の白と紅葉の交差して庭しづかなりひなたのかをる(西尾 繁子)車窓より遠く紅富士の瞬時見え「うおっ」と心の雄叫びを聞く(三上 眞知子)いてふ並木の黄金なれる道をゆく前世わたしはインカの女王(山北 悦子)わたくしの原点として拾ひたり産土の杜に無患子ひとつ(渡辺 茂子)人影を透かして見ゆる冬の海剝離してゆく思ひ出ばかり(臼井 良夫)葉を落とすごとく蔵書を手放すは遠き昔の乱読少女(高田 香澄)三日月の鋭き光揺るるときわが影薄く剥ぎとられいる(高田 好)ブロッコリ刻んで茹でて食し

          八首抄 令和6年3月号

          臼井良夫選 白壁の反射眩しく恐縮をしてゐる様な一日終はる(広瀬 美智子) 点滴を終えたスタンドぽつねんと手持ちぶさたに病室にあり(青山 良子) 晩年の念いこころに刻みつつ令和五年も暮れゆかんとす(佐藤 愛子) 前立腺癌と闘ひをりながら一合を呑む晩酌の味(高貝 次郎) 暗闇に蛍光灯の紐探すこの世のわが手 犍陀多のごと(佐田 公子) 怒る人寡黙なる人認知症の相席にして和めるホーム(仲野 京子) 来てくれた七・四・二歳に囲まれて除夜の鐘聞く吾が誕生日(田中

          八首抄 令和6年3月号

          選歌 令和6年2月号

          喜びも悲しみさへも語り合ふ友の居たりてそれで十分西原 寿美子どちら様の狭庭荒らしの野良二匹糞処理係今朝もいそがし橋本 俊明こらへるといふ事もまた老いてゆくプロセスとして心に収む広瀬 美智子赤ん坊のあーあー泣いてる雨のバス みんな海から生まれてきました森崎 理加点点と湖にか森崎 理加りがね浮くころぞ遠まはりして診察に行く渡辺 茂子作りおきの秋の味覚を並べ置く吾の胃袋ひとつにあらず井手 彩朕子悔恨の叫びの色に空を染め秋の夕陽は山に入り行く高田 好これからは人工的に雨までも降らす

          八首抄 令和6年2月号

          広瀬美智子選 水光る岸辺へ行かう右の手を誰にも見えぬあなたにつなぎ高田 香澄セピア色の私のハートが明るんだ二千円分のギフトが当たる髙間 照子久びさに今日流し場のステンレス顔うつすまで磨きて足れり藤峰 タケ子オーロラの国より届く角封筒教へ子といふ白いかたまり臼井 良夫ありし日の金木犀は二度楽し咲き初むる香りと散り敷く彩と谷脇 恵子手を出せばずしり渡さるる子の鞄ほの温かく「お帰り」今日も山内 可奈子空屋敷と淋しむなかれ終日を小鳥ら来鳴き熟柿ついばむ吉田 和代帰っても帰る場所ある吾

          八首抄 令和6年2月号